超メモ帳(Web式)@復活

小説書いたり、絵を描いたり、プログラムやったりするブログ。統失プログラマ。


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相模原障害者施設殺傷事件について、いい加減書く。

どこかで書こう書こうとは思っていたけど、あまりにも重い事件なので、文章が長くなりそうで書く時間が取れなかったから書けなかった。休みで時間があるのでエントリーを上げようと思う。

 

2016年7月26日、神奈川県相模原市津久井やまゆり園で、重複障害者19人を殺傷する殺人事件があった。犯人の植松聖容疑者は、障害者は殺していいという思想を持っていて、衆議院の議長公邸に障害者を安楽死させる旨の手紙を届けていた。その後、勤務していた障害者施設に優生思想を持った主張をして、精神疾患を疑われて措置入院をしたが2週間で退院。その後、犯行に及んだ。

 

相模原障害者施設殺傷事件 - Wikipedia

 

さて、問題となるのは「障害者は殺していい」なんてナチスドイツばりの優生思想を植松容疑者が持つに至った経緯だ。
植松容疑者は津久井やまゆり園で務めていた。現状の障害者施設の職員の待遇は低賃金・過重労働の現場が普通だ。津久井しらゆり園でも夜勤の時給は905円だったという。それで入所者150名を見守る夜勤スタッフも少なかったという。
実際に介護をやってみたらわかると思うが、寝たきりの障害者を介護するのは重労働だし、重度の精神疾患を持った障害者なら言う事も聞かないし暴力を振るわれることもあるだろう。そんな環境の中でそんな優生思想を育てていったのではないだろうか? また、措置入院時に大麻の反応があったという。大麻精神病になってたのかもしれない。少なくともこんな誇大妄想は、通常の精神状態では考えられないだろう。植松容疑者は統合失調症なのかもしれない。

 

私見としては、統合失調症の疑いのある患者がで措置入院した後、短期で退院して殺人事件を起こした、という点で精神障害者に対する偏見が助長されるのでは無いかと恐れている。後、秋葉原通り魔事件の加藤智大の時みたいに、障害者を殺すことに賛同する不埒者が出てくるのではないかと思うのである。実際、下記のような反応がtwitterであった。

 

togetter.com

 

まぁ、大半は頭が軽い反応乞食の馬鹿共だろう。不謹慎な事を書いておけばリツイートで拡散されると思っているのだ。こういった奴は安易に反応せずにスパブロで対応してやればいい。しかし、こんな反応をさせる思考を理解して反論しておかないと駄目だ。見ないふりは出来ない。当事者としてこういった思想が広がるのはなぜなのかという理解が必要だ。

 

連中の論拠は、「障害者は生産率が低く、税金の無駄遣いをしている」ということだ。

 

確かに、障害を患うと身体が動かしにくくなり、障害者雇用や作業所などで低賃金の仕事しか選択肢がなくなる。重度の障害者になると一生ベットから起きることが出来ない人もいる。経済的にみると健常者の社会に負担を掛けているとしかとれないだろう。

 

しかし、経済的な効率だけが社会的幸福の指標か? 日本は高度成長期から経済的成功だけを求めて急ピッチに加速してきた。その結果が、過労死やブラック企業鬱病の流行だ。誰しもストレスを感じ、心を病む可能性が増大してきた。しかも、超高齢化社会に入り、誰しも歳を取れば福祉に頼らざるをえない時代になっている。社会のセーフティネットを強化しないといけないのだ。経済的な効率だけを求めていては、社会全体の幸福を増やせていけない時代になっているのだ。経済の効率性だけで社会は語れない。

 

あと、こういった連中に問うておきたい事がある。

 

マルティン・ニーメラという神父の言葉がある。

ナチスが最初共産主義者を攻撃したとき、私は声をあげなかった
私は共産主義者ではなかったから

社会民主主義者が牢獄に入れられたとき、私は声をあげなかった
私は社会民主主義ではなかったから

彼らが労働組合員たちを攻撃したとき、私は声をあげなかった
私は労働組合員ではなかったから

そして、彼らが私を攻撃したとき
私のために声をあげる者は、誰一人残っていなかった

彼らが最初共産主義者を攻撃したとき - Wikipedia

 

障害者が非効率的だからという理由で殺した後、次の対象はだれだろうか? 

 

無職やニートは非効率だから殺すべきだ。ワープアは幸せになれる見込みがないから殺すべきだ。非正規雇用者は足手まといだから殺すべきだ。

 

誰もが差別の対象になる社会を彼らは望んでいるのだろうか? これは分水嶺なのだ、こんな思想を拡散するのを認めてはいけない。効率だけで全てを測る潮流は社会を滅ぼしかねない。全ての人の生きる理由を認め、共生する社会を作っていかねばならない。

 

僕はそう思った。

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