狐とまれびと - 朔月京物の怪語り (C★NOVELSファンタジア)
- 作者: 沙藤菫
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2014/04/04
- メディア: Kindle版
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本を読んでいてちょっと疲れたなーと思って昼寝をしたら、気がついたら次の日の午前六時。13時間も寝てる。貴重な休日の時間を無駄にした orz ブログの連続更新記録が止まったよ。まぁ仕方ない。
さて、表題の件。僕は日本の古史、平安時代とか古事記の時代みたいな時期を舞台にしたファンタジーが好き。本屋でこの本をペラペラとめくっていてこれはストライクゾーンだなと思い購入。この手の小説は大概の場合、時代小説ばかりだからラノベは少ないんですよね。
読んでみて割と面白いと思いました。ラノベでありがちな、おせっかい焼きの純真素朴な主人公がラストで逆転する辺りもなかなかに考えられているな〜と。残酷なシーンもきっちりと書けている。
文体を読んでみて、章ごとで人称が変わっているのに気が付いて、なにかしらの叙述トリックでも使うのかなと思ったけど別にそんなことは無かった。ラノベにありがちな地の文章と会話文の雰囲気が違いすぎて萎えるってのがこの作品でもあるけど、平安時代調の世界観を雅に表現しているのがいい。好きなんですよね、萌黄色とか橙とか朱墨などの色が見えるような単語を使った表現。こういった感じで綺麗な単語を並べていった文章も読んでいて楽しいと思いました。
ここからは自分の話。
最近自分が書いてる文章でも悩んでいるんですが、形容詞を羅列した文章ってのは読み慣れた読者には馬鹿にされるんですよね。ラノベではよくあるんですが「翡翠のような〜」とか、「こちらにまで桜の香りが漂ってくるようだ」みたいな。ヒロインの美しさを描写するために形容詞羅列の文章を使うのはラノベではお約束みたいな所があります。上手い作者さんは開いた文章も上手いのですが。ラノベで重要なケレン味を出すためにはそこにこだわらないといけなかったりするのですね。
ただ、最近悩んでいるのは自分が本当に書きたいのはラノベなのかということなんですよ。方向性がラノベ向きの思考をしていないような気がするんですよね。昔の作家の作品を読んで、描写が美しかったりすると感動する。純文学寄りの好みをしているような気がしてきている。
ラノベってのは構成力重視ですよ。文章は二の次というか、思いついたことをそのまま殴り書きしている様な作者も居る。それは違うと思う。ある程度、文章にもこだわりを持たないといけないのではないかなと考えているのです。
よく分からなくなってきた。自分が目指しているのはブルーカラーの文章書きなんです。純文学系ありがちな自分の内面をごっちゃごちゃにかき回している作家は馬鹿にしている。王道とか、そういった読者の好まれる傾向をきちんと読み取って、より良く消費される物語を書ける作家に紛れ込んでみたいと企んでいたりします。
ま、いずれにせよ物書きになりたければオリジナルで作品を書けということですがね。モチベーションが二次創作にしか向かわないんですよ。ちょっとまじめにプロットを組み立てていこうと思います。