流行ってますよね「アナと雪の女王」。今週末の明日でラストらしくて、観てなかったので観てきたよ。
一緒に行った友達がえらくはまっていて、アナ雪を6回観てきたとのこと。コイツに関しては、ハマったことはとことんな奴なので嘘は付いていないのだろう。
現実世界をアナ雪の思想の世界に変えたいとのことである。そこまで行くと変態だと思う。
でもって感想。ディズニー映画らしいディズニー映画だなーと。無論、感動するところはあったし、モーションキャプチャーで作成されたキャラクターの動きは感心した。特にアナの肌の質感が白人の肌の質感をそのまま表現しているなと思った。痘痕の跡が残ってたりして少し汚いけど、白人の肌ってこんな感じだよね。ミュージカル調だったのは最初観て冷めたけど、あとからはこれでないと表現できないだろうなと気がついた。
ストーリについては、単純な「行きて帰りし物語」を二重にひねった感じだなーと。ディズニーらしいと思うのはきっちりとプロットの基本を押さえているからなのだろう。ハリウッド映画などに関してはプロットのエディターを何人も集めてシナリオを構築するという。典型的なパターンだけど安心して見れるクオリティを出せるのはそのせいでしょうね。
最初の旅はアナがエリザの元に向かうシーン。仲間を集めて、エリザの作った氷の城に向かう。ここでの目的はエリザを止めて王国が氷漬けになるのを止めること。普通のシナリオだとこの第一の旅だけをクローズアップして完結させる。この旅は楽しそうだし、ただただ美しい。
変わっているなと思ったのは、そこでアナが新しい目標を与えられて、第二の旅が始まること。アナの目的は深化して、本当の愛を求める旅になる。物語の調子もシリアスな展開に変わる。物語全体のテーマとしては真実の愛なのだろうけど、最初からそれを提示しない。一応、それらしい暗示はある。始めて出会ったばかりの王子と婚約をしてしまうアナは、真実の愛に全く気がついていないのだろう。それが2回の旅を通じて、本当の愛を知ることになる。つまりは、第一の旅は全体のテーマの前奏でしかなかったということである。また、単純に男女間の恋愛でクライマックスシーンを終わらせてしまうのではなく、姉妹の繋がりで締めてしまうのも面白い。単純な従来のハリウッド映画流のシナリオにアンチテーゼを噛ませたのかなと、僕は観ていて思った。テーマの流れを捻りながらもしっかりと王道で締められるのはさすがだなーと思いました。
Let it Goは別にそんなに重視することかなーと思いましたね。吹き替え版でみましたけど、別にそんなに特別なものかなと。マスコミで連呼していたから、そういった点で僕みたいなひねくれた視聴者は反感を覚えるのです。こんなかんじで流行ってるのか、だったら見なくてもいいやーみたいな感じで。実際はきっちりと物語のポイントを押さえているから大人でも子供でも楽しめる作品でしたね。子供が歓声上げているのを横目に見て、やっぱきっちりと作られてるんだなーとディズニーを再認識しましたよ。子供が面白がれる作品は凄いんです。
当然だけど、これは僕の視点です。映画やら小説をみるときは構造に注目して盗める技術が無いか観察しているのです。こういう分析を本当に感動している人にいうとキレられます。僕もそんな奴はつまんねーやつだなと思います。ただまぁ、創作志望者には必要な観点なんですよ。面白い作品を面白いなーで終わらせるのはただの素人です。なんか作ろうとしている人ならば、そこからなにかしらを汲み取ろうとする視点は必要不可欠なのです。
総括。面白かったです。公開は明日までなんで、観てない人は一見の価値はあると思います。