超メモ帳(Web式)@復活

小説書いたり、絵を描いたり、プログラムやったりするブログ。統失プログラマ。


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彼女には世界がどう見えているのだろうか?

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なんか、今は頭のモヤモヤが取れてスッキリしてる。昼間の就労移行支援で人間の意外な面を見たような気がしてね。考え方のフレームが一つ取れて世の中が素直に見れる感じ。まぁ僕のことなので、また複雑性の渦に飲み込まれてひねくれた思考に戻ってしまうのだろうけど。


何があったのかというと、就労移行支援で真面目で素直な人がいて、彼女が真っ当にいろんなものに感動しているのを見て、人間というのはこんなシンプルな考え方でも良いのか、と思ったのである。


この彼女は発達障害である。見た目は健常者と変わらないけど、コミュニケーションの部分で空気が読めない点がある。あと、妙なこだわりがやっぱりあるね。ちょっとでもからかわれるとすぐに怒り出す。本人の内的な悩みやら症状やらは分からないが、外から見る分には普通の人と変わらない。状況を考えず話しかけてくるという難点があるが。


今日は月に一度のフィールドワークで美術館に行って来たのである。行ったのは那覇新都心沖縄県立美術館で開催されている「心の芸術・文化フェスティバル」。


www.okifukuren.org


まぁ、見ることには見たが、つまんなかったな。障害者が芸術分野で頑張っているというPRにはなるかもしれないが、質が高い芸術品を見るいう目的で来る場所ではない。素人が一生懸命頑張った作品を集めた美術展という感じだったな。


大して見るべき点も無かったので20分ぐらいで早々に全部見終わった。何もやることがないので、入り口に戻ることにした。煙草があればこんな時に暇をつぶすことができるが、今は禁煙中なのでそんなわけにもいかない。それで、入り口に向かってぶら~と歩いていると彼女が熱心に絵を見てるのを見かけた。


退屈だったので話しかけると、すごい勢いで作品の感動をぶつけられた。なんかね、その感想が意外だった。書いた人が受け手に持ってもらいたいだろうイメージをそのまま受け取っている。僕みたいにいろんなものを見過ぎて擦れていない。感動の仕方が子供が遊んでいるみたいに純粋なのよ。


これが発達障害だからなのかわからないけど、見るもの見るもの全てに感動しているのよ。僕がちょっと引き気味になるぐらい、発信者の思い通りに感動している。一つの作品の前で10分ぐらい立ち止まっている。


作品の一つに神からの救済を取り扱った詩があった。そこに彼女が来るとまたすごい勢いで悩み始めた。


彼女はクリスチャンである。それでこの救済というのが自分勝手では無いかという点で悩んでしまったらしい。僕は宗教的には沖縄の土着宗教である先祖崇拝なので、クリスチャンというものがあそこまで神からの救済というものに引っ掛かりを感じるというのが理解できなかった。先述した様に素人の作品なのでレベルはえらく低いのである。それでも障害者が救済を求めているという観点ですごく悩んでしまうらしい。


なんかね、悩み方も純粋なのよ。悪く言えば単純。僕から言えばそんな所で躓いていたらもうちょっとレベルの高い問題には辿り着けないだろうなと思う。だけど、ひょっとして世間一般レベルの人はこんな感じの世界の見え方をしているのかなと思ってしまった。僕はひねくれすぎなんじゃなかろうか? 見てる世間がはてなという修羅の国レベルで自意識を拗らせた連中ばかりのコミュニティ。若い頃からコミュニケーションを取る時は相手を疑いながらなので、働いていてもストレスを溜めて、鬱から統合失調症という拗らせ型人種の末期みたいな病気をしてしまった。ストレス解消法も色々と考えているが、頭で何もかもを考えてしまう。一般世間の人はそこまで考えていないのではなかろうか?


彼女は帰りの車の中でも救済に付いて考えていた。話しているのもそればかりだった。詩が好きで何か無いかというのでボードレールの「悪の華」を薦めておいた。僕は性格が悪いのだろうか? 彼女はこんなひねくれた回答を求めているのではないと思う。


世の中は物事を複雑に捉えすぎる人が多いように思う。今日の彼女との顛末を見てると、もうちょっと世の中をシンプルに見ても良いのかなと思えるようになった。僕には世界はそんなに美しくは見えないのだが、彼女にはどう見えているのだろうか?

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