↑タコノキの実である。沖縄の海岸付近の道路によく植えられている。アダンとタコノキは見た目がそっくりなんだけど、アダンは葉っぱに棘があるから要注意。一応、この実は食べられるらしいね。あえて食べる程美味しくはないらしいけど。
さて、今日はいきなり本題に入っちゃおうかな。なんかね、就労移行支援で人生相談を受けるのさ。このブログでは暗黒面ばかりみせてるけど、本来の僕は気のいい好青年だからね。自分で言っちゃう辺りでダメ人間だというのがバレると思うのだけど、実際、人当たりはいい方だからね。割りと信用されて色々と相談を受ける立場なのさ。
正月にこの事務所でイジメがあって僕が主犯者を嵌めたって話をしたけど、実際は仲裁をしただけだからね。周りの人に根回しをしてイジメが広がらない様にして、下らないからそんな事やめろと主犯者達を説得していた感じだよ。今は事務所も平和だよ。まぁ、どう考えても虐められている方に問題がある感じだからな。男漁りをする参加者がいて、男の顔を批評してたからキレちゃった感じらしいからね。こういう奴はシカトしてる分には何の問題も無かろう。性格が悪い女だとしても器が小さすぎて世の中では通用しないだろうな。自分もそんなに良い顔じゃないのによく言うものだ。
事務所で人生相談してるって言ったけど、こういう人生相談は本来やってはいけないことだね。精神の障害者を下手にカウンセリングしたら共依存に陥って共倒れという可能性もあるからね。ピアカウンセリングとかではどんな対応策を設けているかは分からんけど、心理カウンセリングでは枠組みをきっちり決めてカウンセラーがクライエントに依存されないように対策しているね。合う場所、話す時間、カウンセリング料はいくらか?を最初で取り決めて、きちんと守らせるのはカウンセラーの身の安全を守るためでもあるのよ。無料でいつでもいくらでも相談を受けるとかいうカウンセラーがいたら頭がおかしいクライエントにすぐに殺されると思う。それに、カウンセリングが効果があるのはこの枠組みがあるためなのよ。カウンセリングの中で話している時間だけが治療効果があるのではなくてね、そのカウンセリングに向けて何を話そうかとクライエントがカウンセラーに会わない時間に考えるのも回復に向けた効果があるのよ。カウンセリングの料金が高い理由はそれなりに考え抜かれた理由がきちんとあるのさ。
さて、この相談者についてちょっと書いてしまおうか。僕は別に守秘義務を持ったカウンセラーでもないからな。周りには絶対にバレないようにはするけど、ブログネタにはしてしまう。なんか、僕の器で全部飲み込める様な小さな悩みでもないらしくてね、次からは職員に誘導するつもりである。
この人は50代ぐらいなんだけど、統合失調症を患って全てを失ったらしい。それで病を全く受け入れてない。現状を見ず、自分の過去だけを振り返って「自分は全部失った」とか「何もやる気がしない」とか繰り返し言っている。話してる分には精神病圏には入って無くて、鬱とかそういった危険性は無いと思う。ただ、統合失調症だからね、陰性症状でこんなことを言っている可能性はあるだろう。
ひとまずロジャーズの流儀に従って傾聴の姿勢で対応してみたのだけど、いくら傾聴しても自分が全てを失ったことを繰り返し主張する。それでアドバイスを送ることにした。
このアドバイスってのが難しくてね、コミュニケーションで相手を変えたい時にいくら正論を言ったところで相手が変わるつもりがなければ聞いてくれない。だからコーチングのテクニックが必要になってくる。僕が知っているのは開いた質問と閉じた質問を使い分ける程度だけど、相手に自分の行動を考えさせる質問ってのが重要でね、ただただ自分の価値観を押し付けるのは説教と変わりない。相手を説得して行動を変えさせる必要があるのさ。
この手のネガティブ思考で認識が歪んでいる人は認知行動療法がよく効く。全部説明するのは面倒なので、今回は認知の歪みの10例を覚えていってもらおうか。
1. 全か無か思考
『99点だったけど100点でなければ0点と同じだよ』
2. 一般化のしすぎ
『30点…他の教科もぜんぶヒドイ点数に違いない』
3. 心のフィルター
『60点か…40点も減点されるなんて、頭が悪いなぁ』
※40点の減点のコトだけを悔やみ、60点正解した事実は思い浮かびすらしない
4. マイナス化思考
『100点だったけど、たまたま運がよかっただけで、基本的にわたしはバカだよ』 ※満点なのに、自分は頭が悪いという評価にすり替えた
5. 結論の飛躍
心のよみすぎ (読心術)
『30点で友人に笑われた。バカなヤツだと思われたんだろうなぁ…』
友人がどのように考えて笑ったのか聞きもせず、
たいした根拠も無いのに、バカにされたと自分の中だけで決めた
先読みの誤り
『勉強がんばったのに50点しか取れなかった…
これじゃあいい大学には入れないだろうなぁ』
6. 拡大解釈と過小評価
『30点…とんでもなくヒドイ点数を取ってしまった…』
『100点を取った。100点取れる人なんてこの世に山ほどいるのだからたいしたこと無い』
7. 感情的決め付け
『30点しかとれないなんて腹が立つ。
こんなムカつくテスト、何点だろうがどうでもいいよ』
8. すべき思考
『30点、なんてこった。テストでは良い点数を取るべきなのに…』
9. レッテル貼り
『0点…わたしは超ダメ人間だ!』
10. 個人化
『30点…テストはたしかに難易度が高かったがそんなものは予想できたこと。
こんなひどい点数を取ってしまったのは全て自分のせいだ』
こんな感じで認識を自分で歪めて現実が見えなくなっているクライエントが鬱になってたりする。実際は大したことない悩みなのに、自分でささくれにレンズを向けるようにフォーカスを当てて重大な問題にしてしまっているのである。だから認知行動療法では認知の歪みの10パターンなどを学習してもらって、自分の認知の歪みに気づいてもらうという治療法である。
この人のケースでは「拡大解釈と過小評価」、「レッテル貼り」が当てはまるかな。なんに対しても「自分は病気で全部失った」という理屈に結びつけるようになっている。それで悩んで自発的な行動ができないようになっている。そこで、認知の歪みに気づいて、本当は悩みは大したことないんだと気づいてもらうのが一番だろう。行動に悩んだ時に紙に書き出してもらって、改善方法を自分で考えて書き加えるというのが基本的なやり方だけど、そういうことが出来るまでアドバイスできるもんかね?
まぁ一応、僕がどんな感じで人生相談をしているかを書いたけど、この人についてはただ甘えてきているだけだから、次からは職員に相談するように促すつもりである。傾聴していても、自分が病気で全部失った事をしつこくアピールするだけなのさ。別に、金とって話を聞くカウンセラーでもなし、改善するつもりもない人の話をずっと聞き続ける理由もない。なんか、バーシャルとかのスピリチュアルとかにもハマっているらしくてね、昨日のエントリーのラエリアン・ムーブメントについての話はこの人から聞いたのさ。薬だけはしっかり飲むようにしつこく言ったので、僕のカウンセリングのやり方は別に間違ってないと思う。後は職員に繋げるだけである。
認知行動療法については「嫌な気分よさようなら」が一番参考になります。抗うつ剤のプロザックより鬱に効く本らしいです。今回のエントリーを読んで認知の歪みが有るなぁ~と思う人は読んでみてください。
〈増補改訂 第2版〉いやな気分よ、さようなら―自分で学ぶ「抑うつ」克服法
- 作者: 夏苅郁子,小池梨花,野村総一郎,David D. Burns,佐藤美奈子,林建郎,デビッド・D.バーンズ,山岡功一
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