超メモ帳(Web式)@復活

小説書いたり、絵を描いたり、プログラムやったりするブログ。統失プログラマ。


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承認欲求を拗らせてる時の、哲学や心理学を使ったアプローチ。

承認欲求を拗らせてる時の、哲学や心理学を使ったアプローチ。


朝起きてみると、承認欲求を随分と拗らせてることに気がついた。僕にはたまにこういう時がある。ネットのレスポンスを見ても、対してアクセス数やいいねがなかったりとかすると、いやーな気分が蔓延してこれで調子を崩す時があるのである。


こりゃまぁ、理由ははっきりしていて、kindle出版をしてみると、Amazonのあのダッシュボードは読まれたとか読まれなかったりみたいなパラメータがリアルタイムでわかるようになっており、あれはある種の数字に囚われるタイプにはものすごく劣等感を刺激させるシステムである。


文字書きにはわかる心理かもしれないけど、何か作品を作って読まれる読まれないは、人生の価値を左右するぐらいに大きく気分を変動させる。書いた作品が全く読まれない上に、さらに批判まで受けた日には再起不能に陥る可能性がある。


と、いうわけで、ここんところ僕は非常に承認欲求を拗らせており、「こりゃいかん」ということで急遽、対応策を考えることにした。まぁ、僕にはよくあることである。比較的少量の承認で創作をドライブできるようなメンタリティに自分を作り替えてはいるものの、基本的な性格が完璧主義者で気にしいである。他人の顔色が怖いから人を無視するところがある。


まー、創作の路線で考えるのなら、現在のネットで読まれる作品を書こうと思うのなら、なろう系とか異世界転生もののテンプレでサクッと書いてしまい、それでカクヨムとかなろうとかの創作SNSで、高頻度更新で周りにも返報性の原理を利用するためにいいねコメントしまくるなどの戦略が考えらえるだろう。


僕はあの手の異世界転生ものとか追放ものみたいなものも、まさしく承認欲求が世の中を動かしてるネット時代らしい作品であるなーと思ってる。異世界ものや追放ものというのは、現実では全く満たされない僕のような「冴えないおっさん」が、冴えない日常から抜け出し、突然特別な存在になり、そして誰からも無条件で認められることを疑似体験させてくれる物語である。


こういうの、僕が自分で実際に書いてみると多分、すっごくハマる。おそらくこれらの作品の書き手というのも僕とおんなじような承認欲求に飢えてるタイプのはずであり、その欲求があるからあのような形で自己実現しようとしてるのだ。


しかしまぁ、実際にあれらの作品を読んでみて思うのであるが、物語としての普遍的な価値というのが非常に薄い。ある種の二次創作のようなものであり、決まりきったテンプレの中でステレオタイプなキャラクターたちが表層的な感情の動きだけで物語が展開していくという感じ。どうも、僕的には承認欲求を拗らせていてもあの手の作品を書いちゃって評価されると、創作者として勝ちか負けで言えば負けである。


かといって、明日から急に周りから認められて本やブログもバリバリ読まれて承認欲求に満たされてイキイキ元気で生きるというのは無理である。このような自分の現実と欲求がコンフリクトしてる時の心理学的・哲学的アプローチとしては、「エピクテトスの権外と権内」と「エリスのABCDE理論」が処方箋である。


古代ギリシャストア派哲学者のエピクテトスは、「権内と権外」という分類を生み出した。これは権内というのは自分でコントロールできることであり、これは作品の質やそこから作者が得られる成長、自分自身の作品の評価、などである。権外というのは自分でコントロールできないこと。これは読者の評価やSNSでのいいねの数、他者からの評価などが挙げられる。


そして、エピクテトスは問題を考える時には権外のことはいくら考えても無駄だから、権内のことだけをコントロールせよと教えている。こういうエピクテトスの哲学をさらに心理学のエリスのABCDE理論で具体的な行動にまで落とし込む。


エリスのABCDE理論とはこのようなものだ。

アルバート・エリスは下記のように、基本的な心理モデルとして定義した論理情動行動療法を支えるABCDEモデルを提唱している。

A(Affairs,Activating Event)
→客観的な外部の出来事・生活環境・人間関係。

B(Belief)
→客観的な外部の事象をどのように受け止めるのか、どのように意味づけして解釈するのかの信念・認知・考え方。

C(Consequence)
→信念や解釈を経て起こった結果(気分・感情・感覚・行動)

D(Dispute)
→非合理的な信念(イラショナル・ビリーフ)に対する反論・反駁・論理的否定。

E(Effective New Belief,Effective New Philosophy)
→効果的な新しい信念体系や人生哲学。

ABCDE理論 | 人材マネジメント用語集 | アクティブ アンド カンパニー(AAC)


このABCDE理論のフレームワークを、創作で承認欲求を拗らせがちという問題で使うには次のように当てはめる。

  • A(出来事)作品が思うように読まれない
  • B(信念)読まれないということは自分の価値が否定されているという思い込み
  • C(結果)落ち込み、自己否定、創作意欲の低下


これらの事柄というのは、歪んだ思い込みによって導き出されている結果である。ABCに対して、Dで反論を行い、Eで新しく生きやすい信念を作り出す。

  • D (反論)。自分の作品に価値がないというのは本当にそうだろうか。努力が認められるには時間がかかるし、自分で自分の努力を認めていてもいい。これが未来永劫ずっと続くとは限らない。
  • E(新しい信念)。創作活動の価値は、読者数や「いいね」の数だけでは測れない。自分の表現したいものを形にする過程そのものに意味があり、それは自分の内面の成長につながっている。たとえ今は読者が少なくても、真摯に作品と向き合い続ければ、必ず誰かに届く日が来る。


ここで新しい信念ができたのならば、エピクテトスの権内に従い、具体的な行動プランを作り出す。この場合には、自分の毎日の創作を行う習慣というのはコントロール可能なことである。創作の動機については自分の表現したいものを書きたいと新しい信念で決まった。また、権外のことに振り回されないようにアクセス数やいいねのチェック頻度を下げるのもいいだろう。


結局のところ、創作活動というのは長期戦であり、いっときのバズで調子に乗ってしまうのも非常にまずい。その結果自分の書きたい作品が書けなくなることもあるし、自分が本当に書きたい内心の気持ちを育てつつ、それが周りにも受け入れられる表現を学ぶことが大事だ。


僕は心理学科卒だから、悩みがあるとこうやって書きながら色々と考えたりするのである。実際、具体的な行動としては創作習慣をしっかり身につけよう! という方針は決まった。こういうフレームワークは知ってるといざという時便利なんだよね。

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