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「幸せになる勇気」(岸見一郎・古賀史健著)を読んだ。

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「幸せになる勇気」(岸見一郎・古賀史健著)を読んだ。


前に「嫌われる勇気」をオーディオブックで読んだんだけど、内容が良かったので続編の「幸せになる勇気」も買って行き帰りの車の中で聞いてみた。


幸せになる勇気――自己啓発の源流「アドラー」の教えII

幸せになる勇気――自己啓発の源流「アドラー」の教えII


嫌われる勇気に関しては一度、書籍版の方も買って読んでたんですけど、良い本だったので自分に内容を染み込ませるためにaudibleでオーディオブックを買って聞いてみているんですね。なんってかですね、audibleの嫌われる勇気のオーディオブックはすごく出来が良いです。


オーディオブックとかはプロの声優が本の内容を読み上げたりするんですけど、きちんと声に抑揚や感情を込めてくれてラジオドラマみたいな質感の読書感なんですね。なんでまぁ、オーディオブックって普通の文字の書籍の内容を理解するだけの物じゃないんです。それそのものが別種のクオリアを持った全然別の媒体みたいな存在なんです。アメリカではオーディオブックは日本よりも多く好まれているというのは聞いたことがある。確か、スティーブン・キング文章読本だったかと思うけど、スティーブン・キングの読書はオーディオブックの方が多いらしいんですよ。オーディオブック版のハリーポッターとか本当にすごいワクワクする読書ができるらしいです。


で、audlble版の嫌われる勇気は青年と哲学者の掛け合いが本当に面白いんです。青年が事あるごとに驚嘆したり怒ったりするんだけど、それを哲学者は冷静に受け止めて解説する。この青年のツンデレっぷりが完璧にヒロイン枠なんですよ。なんやかんや言いつつもちゃんと哲学者の言うことを考えて理解して、最後には悟って白銀の銀世界を踏みしめながら出ていくんですけど、それが感情移入できるような声の演技で細やかなドラマ仕立てになってるんです。


まぁ、前に嫌われる勇気の感想を書いたことがあるんだけど、嫌われる勇気はアドラーの解説本でも面白いんだけどその青年と哲学者の師弟関係が構築されていく物語が面白いんです。前に書いたのはこちら。


www.ituki-yu2.net


この物語としての面白さはおそらくライターの古賀史健さんの力量だろう。それだけじゃなく、アドラー心理学の監修をしている岸見一郎さんもすごい人だと思いました。岸見さんに関しては勇気シリーズ以外のアドラーに言及した本を読んでみたいですね。


「幸せになる勇気」の感想を述べてまいろうか。


「嫌われる勇気」がアドラー心理学を敷衍して概要を語る地図だとすると、この「幸せになる勇気」はアドラー心理学を実際に用いて如何に人生を生きるか?みたいな内容です。「嫌われる勇気」から三年後の世界なのですけど、青年は教師になってます。そこで、アドラー心理学の「叱ってもいけないけど褒めてもいけない」を実際の教育現場で用いようとして失敗してしまい、哲学者にアドラー心理学を広めるのを辞めさせるためにまた書斎で議論を始めます。


まぁ、ざっくりと言いますとアドラー心理学では目的論だとかそういう概念で、問題行動は目的によって引き起こされてるのであって過去のトラウマは関係ない。とかそういう概念ばっかり注目されてますけど、どっちかというとアドラー心理学は実践の方法論であってカチッと科学的に構成された理論体系じゃないんです。序盤の方で語られるのですけど、アドラー心理学は「心理学」という科学の枠組みで語られるものより「哲学」の方に近いのである。


アドラー心理学の本質というのは、いかに幸せな人生を送るためにどういう風な考え方をするかと言う風な実践的な考え方なんです。相手から信頼を得るためには先ずは自分から相手に信頼を与えてやることのような、対人関係において相手の存在それ自体を認めて、打算とか価値とかそういう異物が混じらない純粋な対人関係を構築することが本当の信頼関係に繋がることが語られています。


本書ではアドラー心理学の重要なキーポイントである共同体感覚がテーマになってきます。共同体感覚を理解するのに重要なことが「愛」を理解することだと言われてます。


アドラーの言う「愛」とは単純な男女の恋愛関係とか性愛とかそういったものではなく、それまで生まれてから親に面倒を見られて周りの人間を支配することしか考えてなかった個としての人間が、二人で協力しながら二人の幸福を追求していくことである。「愛」とは自分が幸せになるためのエゴイスティックなものでもなく、相手を幸せにするためのマゾヒスティックなものでもない。二人が二人のために繋がり合って幸福な人生を目指すものである。この二人の「愛」に気がつく事が人間としての本当の自立とのことである。


また、共同体感覚の最小単位というのはこの二人の「愛」であり、この誰かとつながって共に幸せを追求する欲求が全世界レベルになったときが共同体感覚らしいです。人生を幸せするためには「貢献感」を感じることが必要なんですけど、共同体感覚を知っているならば日常茶飯事で全世界(これは人間だけじゃなくて物質とか宇宙とかそういう全てのもの)に繋がる貢献感を感じるようです。これがアドラーの考えている到達点。自立した人間である。


アドラーがこういう共同体感覚を思いついたのは第2次世界大戦で従軍した経験かららしい。フロイトは世界大戦という悲惨な出来事を説明するのにタナトスのような死の衝動へ向かう事しか出来なかった。アドラーは戦争という人類全体の悲劇に対してそれで傷ついた人々を救うために共同体感覚という概念を生み出した。この共同体感覚の概念故にアドラー心理学は心理学じゃないと言われるんですけど、これがアドラー心理学という哲学なんですね。


なんってかまぁ、僕はアドラー心理学の解説本というよりはオーディオブックのドラマCDとしての完成度が素晴らしいと思うんです。本当に感動的な結末を迎えるんですよ。そういうのを体験してみたいならオーディオブックを買ってみてもいいですね。


幸せになる勇気――自己啓発の源流「アドラー」の教えII

幸せになる勇気――自己啓発の源流「アドラー」の教えII

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