
ライフログの蓄積を生かした在野研究とかやりたいね。
今日は、内言とログの使い方について、少し手応えのある気づきがあった、という話。
結論から言うと、毎日取り続けているログは、単なる記録じゃなくて「自分の状態を予測するセンサー」にできるんじゃないかと思った。体調の波に振り回されている今だからこそ、その可能性がやけに現実味を帯びてきている。
ここ最近、どうにも体調が安定しない日が続いている。いわゆる「また波が来たな」という感じで、良い日と微妙な日が交互に来るような状態。昨日はジムで1時間ほどウォーキングしながら読書をしていて、『「コツ」と「スランプ」の研究』を読み終えた。もともとは絵の練習に活かせる「コツ」や「スランプ脱出法」みたいな、もう少し実践寄りの内容を期待して手に取った本だったんだけど、実際にはかなり認知科学寄りというか、一人称研究に近い内容だった。
ただ、それがむしろ良かった。人間の内面で動いている「言葉」、つまり内言が、スポーツのパフォーマンスやスランプにどう影響するのか、かなり丁寧に掘り下げられていて、読んでいて普通にエキサイティングだった。
それで思ったのが、自分のログの使い方の話だ。
僕はもう10年以上、デイリーログを取り続けている。思いついたこと、感じたこと、そのときの体調、全部ひっくるめて、ひたすら記録してきた。Obsidianに、スマホからもPCからも、かなりの頻度で書き込んでいる。
これまでは「記録すること」自体に意味を見出していたけど、この本を読んでから、「解析すること」に一歩踏み込めるんじゃないかと思い始めた。
例えば、ログに出てくる言葉の頻度。ネガティブな語彙が増えている時期と体調のスコアを重ねたら、何かしらの相関が見えるかもしれない。あるいは、特定の言い回しが増えたタイミングでパフォーマンスが落ちている、とか。
データ自体はもう揃っている。あとは変数をどう切り出して、どんな仮説を立てるか。その設計さえできれば、完全に「自分を対象にした一人称研究」になる。
実際、以前にAIを使って体調の波をグラフ化する仕組みを作ったことはある。ただ、継続的に運用していなかったから、正直あまり活用できていない。ここは反省点ではあるんだけど、逆に言えば、ちゃんと監視・運用すればまだ伸びしろがあるということでもある。
本の中で特に印象的だったのは、内言と身体感覚の関係だ。スポーツの動きって、一般的には「身体で覚えるもの」「無意識の領域」とされがちだけど、実際には内面の言葉がそれに影響を与えている。
環境からの刺激と、それをどう言語化するか。その相互作用の中で、スキルやパフォーマンスが変化していく。
この本では、ボーリングのスコアなどを大学生の卒論で実際に内言を記録しながら200日ほど毎日ゲームをしまくって、それでスコアが上昇していくまでのスランプとコツの体得についての内言の記録なんかがあったりして、その内言の具体性と抽象についての往復に注目してる内容で、実際に体の動かし方のコツを掴むためには、細部に注目する必要があるけど細部に注目しすぎるとスランプに陥り、そこからまた全体に内言の視野のフォーカスが動いていく時にスランプを脱出するなどの研究があった。
この視点はかなり重要で、つまり「言葉を変えることで、身体の使い方も変えられる可能性がある」ということになる。これ、冷静に考えると結構すごい話で、イラストでもプログラミングでも、いわゆる非言語的なスキルに対しても応用できる余地がある。
例えば、うまくいかないときに頭の中で回っている言葉。「なんでできないんだ」とか「センスがない」とか、そういう内言がパフォーマンスをさらに下げている可能性は普通にある。逆に、うまくいっているときの言葉の使い方を再現できれば、スランプからの復帰も早くなるかもしれない。
僕自身、かなり言葉で考え続けるタイプなので、この分野は相性がいい。自分の内面を観察して、言語化して、ログとして蓄積している。これはそのまま研究素材になる。 どの状態のときに、どんな言葉が出てくるのか。それが分かれば、体調が崩れる前兆にも気づけるし、逆に調子を上げるトリガーも見つかるかもしれない。
心理学的にも、このあたりはギブソンの生態心理学とかアフォーダンスの話と繋がってくる。環境と認知は切り離せないし、その間にある「言葉」もまた、重要な媒介になる。大学時代にやっていた分野とも重なっていて、妙にしっくりくる感覚がある。
だから、これはちょっと本気でやってみたい。論文にするとか大げさな話じゃなくていいけど、個人研究としてまとめるくらいのことはできそうだし、その過程自体がかなり面白いはず。自分の体と心を、そのまま実験装置として使う。ログとAIを組み合わせて、内言と体調の関係を可視化する。
体調が不安定な今だからこそ、こういうアプローチには意味がある。単に「調子が悪いな」で終わらせるんじゃなくて、その波の正体を掴みにいく。そして、できればその波を、自分でコントロールできる領域まで引き寄せたい。
ログはもうある。あとは、どう料理するかだけだ。
