
気晴らしのために辺戸岬までドライブしたら疲れ果てた。
今日は、ほぼ丸一日ドライブしていた。朝から名護に向かい、そのままさらに北へと車を走らせて、沖縄本島最北端の辺戸岬まで行ってきた。帰宅した今、自宅の椅子に深く腰を下ろし、ぐったりしながらこのブログを書いている。
道中はクラシックやオーディオブックを流しつつ、のんびりと進む。とはいえ、片道3時間。往復で6時間のドライブは、さすがに体に堪えた。気分転換のつもりが、気づけばどこか気分が沈んでしまっている。ドライブでネガティブをこじらせてどうするんだ、という話だけど、まあいい。そういう日もある。
それでも、全く楽しくなかったわけではない。名護は僕にとって、中南部出身の目線から見ると、ちょっとした観光地のような位置づけだ。道の駅で北部の名物をつまんだり、ドライブがてら立ち寄るにはちょうどいい。今回は「許田の道の駅」で恒例の10円饅頭を買い込み、運転しながらパクついた。小ぶりで食べやすく、ほどよく甘くておすすめだ。

その後立ち寄ったのが、「ヘンピカフェ」という名の山奥の隠れ家カフェ。猫と戯れることができるという話を聞いて訪れてみたのだが、まさに「辺鄙(へんぴ)」の名にふさわしい立地。古民家を改装した静かな空間は、インスタ映えとはまた違う、ほっとする落ち着きがあった。コーヒーを片手にしばし静かな時間を過ごす。こういう場所は、やはり車でなければ来られない。



そこからさらに北上して辿り着いたのが、今回の目的地である辺戸岬。沖縄本島の先っぽにあるだけあって、国頭地区をひたすら走ることになる。山道と海岸線が延々と続き、海を眺めながらのドライブは本来なら爽快なはずなのだが、今日はあいにくの曇り空。海もどんよりしていて、正直、気分が晴れるような景色ではなかった。

辺戸岬そのものも、正直言って「何もない」。観光客向けのカフェや小さな観光案内所や石碑はいくつかあったが、それ以外には特筆すべきものもなく、静まり返った端っこの世界。カフェで食べたバスクチーズケーキに塩をつけて食べるという小さな体験が、むしろこの日の中で印象に残っている。


今日のドライブ中、創作に関するオーディオブックを半分ほど聞いた。クラシックをBGMに、物語や構成についてぼんやりと考える。最近は紙の本よりも、オーディオブックの方がしっくりくる。目ではなく耳を使って、本と向き合う時間が心地いい。
振り返れば、目的は達成できたのかもしれない。メンタルの不調を少しでも和らげたくて出かけたわけだけど、無心でハンドルを握り、自然の中を走る時間が、ほんの少し気持ちを整えてくれたような気もする。
それにしても、年を取るとこうした長距離ドライブも一苦労だ。名護からさらに2時間の道のりを考えると、辺戸岬はさすがに「やるもんじゃない」なと思う。次回からは、名護近辺のカフェをもう少し掘ってみたり、森林浴ができるスポットを探すくらいがちょうどいい。森林浴なら比地大滝も気になるけど、あそこも滝までトレッキングで片道40分の徒歩移動と聞いて、やや尻込みしてしまった。
娯楽も、年齢に合わせて選ぶ時代なのかもしれない。疲れを癒すための遊びが、逆に疲れを生んでしまうようでは本末転倒だ。それでも今日は、僕なりに良い一日だったと思いたい。少なくとも一人で辺戸岬はもう行かない。なんか、延々と一人で2時間も何もない国頭の道を走っていると逆に人生に悩んでしまいそうだ。