エネルゲイアな生き方をしていきたい。
エネルゲイア的な生き方、というのに興味がある。ここ最近、これについて考えていた。アリストテレスの言った言葉だけど、エネルゲイアという言葉の意味は以下の感じだ。
キーネーシス
→始点と終点があるような運動で移動や達成が目的であるもの。出来るだけ効率的に速やかに成し遂げられるのが好ましい。エネルゲイア
→今なしつつあるものが、そのまま価値や意味を持つ運動のこと。プロセス自体に意味がある。
これだけではまだぼんやりとしてしまうかもしれません。例えば、少年Mが英語のテストで100点満点中50点だとします。
彼が80点を目標に一生懸命頑張る生き方。
これがキーネーシス的生き方です。一見、素晴らしいように見えますが、このエネルゲイア的生き方には欠陥があります。
それは、80点を達成しなかった場合、この生き方は全否定されることになります。
目的、目標を達成することに意味・意義があるのであり、それを達成しないことは全く意味はありません。エネルゲイア的生き方とは、まさにこれの逆です。
もし目標を達成しなかったとしても、一生懸命頑張ったそのプロセスに意味があるという考え方です。
「生きる意味」というのをたまに考えるのだが、金を稼げばいいとか権威ある立場になればいいという生き方はキーネーシス的な生き方だ。何かを成し遂げるために一生懸命努力する生き方というのは、美しくみえるかもしれないけどその目的を達成した時とか、達成できずに挫折したときとか、目標が無くなってしまい生きる目的まで見失ってしまう事もあるだろう。
それにまぁ、キーネーシス的な生き方が、人と比較して自分の相対的な位置を測るような他人の目を気にすることにつながるのなら、それは一生満足する事のできない泥沼である。僕が常々警戒している事なのだけど、自分が努力してコントロールする事が出来ない事柄に価値観を置いてしまうと、それが無くなってしまうと自分が信じる事が無くなってしまう。他人の評価なんてものに価値観を置くと、どれだけ努力しても一生満たされることのない泥沼なので注意しよう。こういう所の話を論じていたのが「嫌われる勇気」であったと思う。
この、他人の評価に価値観を置かないというのは、僕は苦労してそういう対外的な姿勢を身に付けてきた所があり、どうでもいい他人に好かれようが嫌われようがそれこそどうでもいいみたいな考え方で行動している。自分のコミュニケーションにおける標語は、武者小路実篤の『君は君、我は我也、されど仲良き』であり、わざわざ喧嘩して波風立てるような行動はしないけど、人に好かれるために媚びるような事はしないという指針で生きている。
結構、昔は人嫌いが酷すぎて組織の中で孤立しがちであった。人と話すときも喧嘩腰でとんがった事をいう事があったし、プライド高すぎで腹を割って話せる友人が一人も居なかった。まぁ、今でも友人が全然いないんだけど、昔に比べるとちゃんと人付き合いができるようになった方である。これ、実はちゃんとブログで自分の意思表明を練習をしてきた成果だね。なんか考えをどういう風に言語化するのか自分でもよく分かってなかったフシがあったのだけど、ブログで毎日自分のどうでも良い話を他人が読めるように文章化する習慣は、コミュニケーション能力を高めることに大いに役立った。
エネルゲイア的な生き方というのも、ブログを書く事を通じて分かってきた気がする。僕は毎日ブログを書いているのだけど、これは儲かるとか自己顕示欲を満たすためというよりは、自分の考えを文章化するのが好きだから毎日更新している。このブログを運営するのは純然たる自分のための行為であり、書いた日記を後から自分で振り返ってみて楽しむための行為である。こんな感じでブログを運営しているので、金稼ぎの為にブログでなんちゃらみたいな感じの事を言ってる連中はうっとおしいんだが、最近はそれらの連中もいい感じに衰退しているので、どうでもよくなった。
僕は将来的には、毎日仕事を頑張りつつ、趣味で創作や在野研究をやったりしながら晴耕雨読で暮らしたいみたいな事を考えているのだけど、創作や研究に対してもその行為自体を楽しめるエネルゲイア的な姿勢を忘れては駄目だなと思った。そうするためには本当に自分が興味があってやりたい事というのを磨き上げておかないといけない。自分にとってその方法は、ちゃんと考えている事を言葉にしながら考え続ける事かな。毎日書くことがエネルゲイアな生き方につながっている。
