本は読むものではなく、記憶するととてもいいですよ、というおすすめ。 - 物語三昧〜できればより深く物語を楽しむために
言葉というのは本来、とても現実に通じる力を持っているものだと思うのです。今の世の中というのは言葉の力というのを軽視し過ぎじゃないかと感じる。
例えば「エディプスコンプレックス」という言葉がある。フロイトが提言したギリシャ神話でエディプス王が父親に対して憎しみを感じたことを指して、子供が父親を倒して母親を独占しようとする感情ですね。しかし、人がエディプスコンプレックスを感じるのは、その言葉を知っていないと発生しないものだと思うのです。エディプスコンプレックスは言葉を通じて、その概念を知ることで、もしかしたら自分の中にある感情はこれじゃないのか?と気付いて初めて分かるような感情なんじゃないでしょうか?
分かりにくいなら「癌」でもいい。健康なのに自分は癌ではないかと疑ってノイローゼになったりする人がいる。それは癌という言葉を知って、その病が死につながる病気だと知ることで不安を募らせて発生する。一つの単語が持つ意味が、人の体調を変えるほどのちからを持っているのである。
言葉が力を持つ。言葉があるからこそ人は不安になったり、ノイローゼになったりする。ノイローゼになったりすると実際に体の調子がおかしくなる。言葉は現実に通じる力を持つのです。
例えで上げた例は不幸になるパターンばかりですが、それだけではなく幸福になるためにも一つの言葉を知っている必要があるのでしょう
言葉の力を上手く使ったのは、大日本帝国が太平洋戦争の頃に大衆に向けて作ったスローガンだと思う。「欲しがりません勝つまでは」「一億総火の玉」「月月火水木金金」。言葉は、短くすればするほど強く訴えかける力を持つ。これらの言葉が半世紀以上も経った僕達が知っているということは、その言葉の持つ力が強いということだ。為政者達はそんな力の利用方法を知っていて利用しているのだ。
現代は情報が溢れている。生活の中でも無数の言葉が飛び交っている。それを受け取る人間は無数の言葉の刺激を受け過ぎて、不感症になっている。
言葉の送り手も、無数の言葉の群れの中で興味を持たれるように、刺激的なキャッチコピーを考えて人々の興味を引こうとする。
そんな世界の中で、僕らは言葉に対してどこか散漫になっていると思う。
冒頭で上げたエントリでは、白鯨の船長がシェークスピアの小説を暗記して、折々で引用していることが挙げられている。日本でも、明治以前では現在のように本を黙読するのではなく、音読して読んでいたと言われている。
昔の方が言葉に対して丁寧に接していたのだ。
白鯨の船長も、シェークスピアの言葉をなぞらえる事で自分の人生のストーリを価値あるものと信じることができていたのでは無いでしょうか?言葉の持つ力は人生を支えるのに強い支えになるのです。何か困難なことがあったとしても、支える概念があれば人間は強いものです。誰かの言葉ひとつで生きる意欲が湧いてきたりすることもあるのです。
まとめ。
大量の言葉を取り入れる事も必要ではあるが、自分の中の核となる言葉を磨き続ける事も必要。
大量の新書を読むよりは、一つの小説を何度も何度も丁寧に読んで、そこにある言葉を取り入れるのも、人生にとっては意義があるのではないかと思うのです。
週終わりでお酒を嗜みつつ書いている。こんな感じのさらりとしたエントリも良いでしょう。
- 作者: ミヒャエル・エンデ,大島かおり
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2005/06/16
- メディア: 新書
- 購入: 41人 クリック: 434回
- この商品を含むブログ (297件) を見る