『天地明察』などの歴史小説も手がけているプロ作家の冲方丁さんが二次創作を認めるガイドラインを策定しています。
良いなと思った。僕的には両手を上げて賛同したいんだけど、まだ問題点も多いだろうなと考えている。
簡単に思いつく点では、R18な作品をどう扱うのかをまったくガイドラインでは書かれていないなと。
同人界隈ではエログロでしか表現できない人も結構な数がいます。冲方さんが想像しているのは創作を志していてクオリティの高い作品を作る二次創作者だと思うのですが、二次創作では原作ファンが読んだら怒り出しそうなエログロの作品や、原作へのリスペクトが全くない作品もあります。そして、そういった作品が人気を集めることがあるのが現状の状況だと思います。
さすがに、そういった作品を商業ベースで認めるわけにはいかないでしょう。この辺りの対策を考える必要があると思います。コミュニティの自浄作用に任せるにしても僕が見た感じでは無理だと思います。
後、人材育成などを目指していくとありますが具体策が見えないなと。プロとアマの差は編集者の校正などの環境の差もあるでしょう。今のところ、同人で小説を書いたりする者は自分や仲間で校正をするなどするしか無いです。多分、冲方さんが理想とするあり方では賛同してくれる編集者が必要になると思うんですけど、その目処は付いているのでしょうか?
理想としては良いですけど、まだまだ議論を重ねる必要もあるように思えました。
以後、私見。
ラジオ版学問のすすめで冲方さんが出演している回を聞いたのですが、ライトノベル出身である事も関与しているとは思うのだけど、歴史小説作家と二次創作者はメンタリティが似ているなと思ったのです。二次創作での物語の作り方ってキャラ萌え、シチュ萌えを駆動力として創作します。究極的には歴史小説も二次創作と変わらないと思うのです。歴史上の偉人を自分の妄想の中でキャラクター化して、歴史上の事件をクライマックスとして物語を構築するのは、二次創作のやりかたととても似ているよなーと。まぁ、冲方さんの『はなとゆめ』で語る清少納言への想いというか妄想は確信犯的にそれをやってるのではないかと思えた。
いずれにせよ、冲方さんが理想としている事を実現できたら二次創作中心の物書きしてるワナビな僕はとても嬉しい。ま、オリジナルも書こうと努力はしているのですが。。。

- 作者: 冲方丁
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