長編小説を書いてみたいよな。
やー、先週は調子が悪かった。3月24日ぐらいから体調を崩し始めて、その間、よく分からないけどいろんなものに罪悪感を感じたりとかメンタル不調状態で苦しんでいた。今日は図書館でブログを書いてるのだけど、今週の金曜日ぐらいから体調は戻り始めてる。
今週の小説熱再発もおそらくこのメンタル不調ゆえの現象なんだよな。なんか作成途中の作品メモとか読み返してみると面白そうな話のネタが考えられてるんだけど、この小説メモを考えてる時の熱の入れようがちょっと病的だった。瞑想をしてる時もずっと小説のイメージが出てきて集中できず、仕事中もチラチラとメモを見ながら仕事をするぐらい思考を小説に乗っ取られてた。
ちょっと、僕の小説執筆時のメンタルの状態というのは、妄想の入った病的なものが含まれる。物語世界が頭の中で常にドライブしてる状態になっちゃうので、日常生活に支障をきたすぐらいその作品が大きくなっちゃうのよ。
これでおもしろい作品を完成させることができるのなら僕は大文豪になっちゃってもおかしくないのだが、この熱に浮かされてる状態というのはすぐ冷めるから問題なのだ。作品に対する熱の入れようが強すぎると、思い入れが強くなりすぎて作品を完成させるまでモチベーションが続かなくなるというのが僕の中ではあるあるなのである。
なんか、僕も7本ぐらいは中編程度の作品を作る経験を積んでようやく分かってきたけど、小説執筆というのはこのモチベーションをうまくコントロールして、作品を完成させるまで作品に対するイメージをしっかりと動かし続けることが肝心なのだな。書いてないけどイメージばっかり壮大なお話というのも僕の頭の中にはたくさんある。作品のイメージをしっかりとプロットで荒く固定化して、それを本文執筆で細かく場面の詳細を描写して、作品として完成させて、ようやく小説執筆の趣味というのは完結するのである。
世の中には西尾維新のように一日2万字を書いちゃうような化け物もいるけど、普通の書き手であれば数万字の小説を書き上げようと思うのならば、数週間から数ヶ月に渡って習慣的に小説執筆を行わねばならぬ。一時的に熱に浮かされて盛大に盛り上がり「ぼくがかんがえたさいきょうのおはなし」を脳内に構築してしまい、それを具体的に作品として抽出もできず、執筆に失敗してしまうというのが一番痛い。いや、この失敗が一時的であればいいんだけど、この失敗のせいで自信を失ってスランプに陥るのがまずいのよ。頭の中で想像する完成品が素晴らしければ素晴らしいほど、挫折した時のダメージも絶大なものになってしまうのである。僕的には期待度を上げすぎるのも下げすぎるのもどちらも問題あると思う。
前述したように、期待度を上げすぎると執筆に失敗した時の落差が大きくて筆を折る原因になりかねない。筆を折るまではいかなくともスランプに陥り、数年以上次回作を書くことができない状態になってしまうこともある。僕も経験があるが、このスランプに陥った時は創作意欲が消え去ってしまい、自分にはもう作品が作れない気分になってしまう。推しとかのコンテンツを見る気とかも無くなってしまうし、回復するまでは他の趣味に興じたりして気長に待つしかない。
しかし、期待度を下げすぎると、執筆活動が単なる単純作業になるのである。これは作品を作っていてもつまらんし、できた作品のクオリティもあまり期待ができない。そもそも執筆活動が面白くないし何のために物語を書いてるのか分からなくなる。これはこれで逆に筆を折る原因になりかねない。
じゃー、どーすんのかよって話であるけど、小説執筆を行ったりする活動というのは適度なモチベーションをコントロールしつつ、長期間に渡って文章を書く習慣を維持するタスクであると理解しておくことである。本能が暴走して突っ走ってる妄想を、理性でもってうまくコントロールして適切な物語の形へ落とし込む。本能が強すぎてもダメだし、理性が強すぎても話が止まってしまう。そこんところの自己コントロールを究めてしまうのが小説執筆のコツじゃないかなと思う。
これは僕のオリジナルの考えではなくて、確か、村上春樹氏の「職業としての小説家」の中で似たような話が書かれていた。
村上氏が長編小説を書くプロセスというのは「弾み車を回すようなもの」なのだという。物語世界が駆動し始めるまでは、力を入れて動かさないといけない。しかし、いったんリズムができたのならば後はちょっと力を加えると継続して回り続ける。こうやって物語のリズムができるまで頑張ってエネルギーを加えるのが長編小説を書くコツであるらしい。
僕の書いた小説って長くても5万字ぐらいしか書けない。10万字以上の長編小説って挑戦したいけどやれるかどうか分かんないんだよね。でも、公募とかで募集してる新人賞は大概10万字以上の作品とか制限が付いてるもんなぁ。僕も一度は小説の新人賞とかは挑戦してみたいんだよな。長編小説の執筆は挑戦してみたいよな。