「佐藤可士和の超整理術」を読了した。
以前、りとさん (id:rito-jh) に、どうしてそんなに生産性高い生活送れるんですか?って質問したんすよ。そしたら下記のレスポンスのエントリーを頂いた。
なるほどなーって感じでした。プライオリティの高いタスクを最優先にして、モチベーションが続くだけ作業を行って作業の回転効率を上げている感じなんですね。
「佐藤可士和の超整理術」の紹介をなされていたので興味深いなーと思ってたんですよ。なので、早速、kindle版を購入して読んでみた。
- 作者: 佐藤可士和
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2012/10/13
- メディア: Kindle版
- 購入: 2人 クリック: 4回
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こちらも参考になることが多かった。「超整理術」と銘打たれていますけど、内容的にはアートディレクターである佐藤可士和氏の仕事への向き合い方みたいな内容でしたね。
なんかアートディレクターという仕事はプログラマと共通点が多いなと感じました。まぁweb業界にもプランニングを行ったりするディレクターという職種がありますけど、それをもうちょっとアーティスト向きにした仕事だなって感じでした。この辺りはこちらでも書きましたかね。
アートディレクターというのはアーティストというよりはSEやプログラマなどのシステム屋に近い職業だと思う。物事のの中に法則性を見出し、それを抽出して新たな価値観を生み出す。システム屋というのは、要件定義で実際の現場での用途を固めて、設計でアルゴリズムに従って情報の流れを整理して、コーディングでシステムを作り上げる。プログラマの仕事としてはコーディングの技術ばっかりが注目されるけど、システムを作る上で重要なのは要件定義と設計の方である。前にあるはてなーがSEの金言として書いてましたけど、紙とペンがあればコンピュータが無くてもシステムは作れるのである。
プログラマってのは極めてロジカルに情報の流れをコントロールするというのが強いけど、アートディレクターは美的感覚による直感を重視しているみたいです。だけど、佐藤可士和は比較的ロジカルに物を考える方みたいですね。なので、この様な本を書いているようです。
佐藤可士和氏は作業効率を高めるために、情報や持ち物を整理して情報の純度を高めるって方法をとります。この本では「空間」「情報」「思考」の順番で、思考の整理方法を伝授しています。
ごちゃごちゃとした物事に囲まれていたら作業効率も悪くなるし、その中で得られる発想も純度が低いものになるんですね。思考を整理して純度の高い仕事をするためには、まずは身の回りをきちんと整理整頓する事から始めるべきなんですよ。これは持ち物にかぎらず、情報に対しても同じことが言えるんです。強度の高いシンボルというのは余計な情報が含まれていないんです。佐藤可士和氏はユニクロのロゴのデザインなどを担当しているですけど、社長に対してどの様なイメージなのかを問診というスタイルではっきりさせて、なるべくシンプルに直球でユニクロの良さをPRできるようなデザインを構築しているのです。
作業効率を高めるためには、仕事を限られた時間に詰め込むよりも、作業一つ一つの純度を高めて効率の良い仕事をするべきだ、と可士和氏はそう本書で述べているように感じました。その作業の純度を高めるために、持ち物に限らず、知っている情報や普段の考え方に及ぶまでの整理整頓の方法が書かれている。
まぁ、この本はどちらかと言うと仕事術というよりは、アーティストの発想法を学ぶために読む本でした。価値のある仕事がしたい人は読んでも良いかも。
- 作者: 佐藤可士和
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2012/10/13
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今日の徒然
おぉ、はるうさぎさん (id:haruusagi_kyo) に言及されておる。
上記のエントリーで書いているけど、はるうさぎさんも生活のルーチン化をしてしまうという所で僕とパターンが似ているんですよね。それで、メンタルヘルス系の病気をやっている人は、その規則正しい生活が回復に役立つのではないか?という内容でした。
こりゃま、僕も同感だと思いますね。僕は統合失調症の当事者であるんですけど、現状では寛解に近い状態で一般企業でフルタイムで働いています。どうやってここまでこれたか?というと、きちんと毎日正しく服薬して、規則正しい生活を送り続けたからと言うのが大きいです。
統合失調症の場合は、症状が抜けて寛解するまでの治療の比率というと規則正しい服薬がとても大きな比率を占めています。統合失調症だと精神病院に入院させられたりしますけど、入院させるほとんどの理由がちゃんと服薬の習慣を付けさせるためだったりします。経験上でも、同病者でちゃんと回復している人は、症状を抑えるために服薬する習慣の理由を自覚していて自律的にちゃんと薬を飲める人です。逆に、怠薬や断薬をする人は急性期を何度もぶり返して繰り返し入院するようになります。
妄想や幻聴などの陽性症状はちゃんとした服薬で抑えられるんですけど、そうなってくると問題なのは薬の副作用や陰性症状なんですよね。抗精神薬ってのは脳の興奮を抑える薬なので、活動的な行動をやりたいというモチベーションは健常者よりも確実に低くなります。僕もこのブログを再開する前の2015年なんかは、何もする気になれなくてブログの更新も一年止まっています。その頃は一日中眠るか食べるかだけしかできなくて、一日14時間ぐらい眠る生活を1年半ぐらい続けてました。
まぁ、これではイカンと思ってブログの毎日更新を始めたんですね。毎日決まった時間に決まった量だけ毎日書き続けるというこの習慣は、実は統合失調症の陰性症状対策なんですよ。それと、統合失調症の他の症状に脳の認知機能が低下するってのもあるんですよ。僕も健常だった時期と比べると頭の回転のギアが2~3段階ぐらい落ちてます。なので、文章を書く習慣で脳トレをしておこうって思惑もあるんですよ。
統合失調症に関しては、社会復帰するためにどんなふうな治療をしたらいいのか?って尋ねられたら、きちんと医者に相談して適切な薬を正しく服用することと、毎日、決まった時間に起きて、決まった時間に寝るようにして、食事も三食正しく食べて、運動の習慣も身につけることだと答えるかな。昨日も似たようなことを書いたけど、日記やブログでその生活習慣をきちんとレコーディングすることは習慣化に強く役立ちます。
まぁ、これは統合失調症に限らず他のメンタルヘルスの病気でも使える方法かもしれない。とりあえずまぁ、僕はこの方法で保護室に監禁されるほど症状がひどかった状態から、社会復帰してフルタイムで働けるまで回復しているよ。