投薬治療とカウンセリングを並行してやる治療が一般的になるかもね。
今日はカウンセリングの日であった。ひとまずカウンセリングに関しては一月に一度の頻度で通うようにしている。なんか、世間一般の人はカウンセリングというのは悩みがある人が行く場所という印象らしいが、ちょっと家族や友達にも言いにくい悩みなんかを持ってる人は気軽に通えば良いのである。僕がオススメなのは心理学科系の大学でやってるようなカウンセリングサービスである。普通の個人開業のカウンセラーというのは保険が効かないのでセッションごとの値段がベラボーに高い。下手をすると、ちゃんと公認心理士とか臨床心理士の資格を持ってないような素人カウンセラーにろくに悩み事を解決もできないのに高い金を払わされることもあるので、読者諸氏はひとまずそのカウンセラーがちゃんとした心理学系の信頼性の高い資格を持ってるかは確認してカウンセリングをお願いした方がいいよ。
僕は今でこそプログラマをやってるけど大学での専攻は心理学だったんすよ。心理学科の臨床心理の授業を受けて真っ先に習うことは、カウンセラーを名乗るのには資格がいらないので、付け焼き刃で心理学を学んだ素人とか占い師みたいな人たちもカウンセラーを名乗ってるから気をつけろという風なことである。
僕が大学で心理学を勉強してたのは20年は前のことであるけど、その頃から心理カウンセリングというのは医療としてはエビデンスのはっきりしない分野みたいな感じで中途半端な立ち位置であったよな。そこからちゃんとした心理学の理論を身につけた専門家を定義しようみたいな感じで公認心理士とか臨床心理士の資格が立ち上がって行った感じであったかな。
まぁ、カウンセリングのような心理療法というのは、いまだに医療行為としては認められてないから保険適応外なんだよね。一応、精神科医とかも心理学の理論とかは学んでるかもしれないけど、色々と話を聞いたりしてカウンセリングをしてもたいした点数はつかないから、長々と話をするよりは短く切り上げて薬を処方する方が病院も効率が良い。病院も商売であるからね。1日に数多くの患者を見るようにしないと経営が成り立たないという問題もあるのよ。
そこんところを厚生労働省はなんとかしてくれんかなと思う。近年のカウンセリング関係の国際的な研究でエポックメイキングだったのは、フィンランドで発表されてる「オープン・ダイアログ」と呼ばれるアプローチが注目されている。
このオープン・ダイアログであるが、統合失調症を投薬を最小限にして家族や専門家たちが集中的にカウンセリングを行うことで統合失調症の急性期の症状を抑え込むことができたという治療法である。
この治療法を導入した結果、西ラップランド地方において、統合失調症の入院治療期間は平均19日間に短縮された。薬物を含む通常の治療を受けた統合失調症患者群との比較において、この治療では、服薬を必要とした患者は全体の35%、2年間の予後調査で82%は症状の再発がないか、ごく軽微なものにとどまり(対照群では50%)、障害者手当を受給していたのは23%(対照群では57%)、再発率は24%(対照群では71%)に抑えられた
従来の精神医療の考え方では、統合失調症というのは脳の病気であるから投薬治療で脳のドーパミンの過剰分泌を抑えるしか治療方法がない。しかし、オープンダイアログでは、カウンセリングにより統合失調症を抑え込むことができたのである。これは精神医療の中ではすごい革命的な発見で、カウンセリングのような心理療法というのが精神病を治療するためのエビデンスのある手段として投薬治療と並ぶかもしれないのである。
今んところ日本ではカウンセリングは厚生労働省に医療行為として認められてないから保険適応外で高額だけど、オープンダイアログのような治療法が認められて、治療効果に根拠のある論文などが増えてきたら医療行為の中にカウンセリングも入ってくるかもしれない。そうなると心理カウンセラーもちゃんと国家に認められた人たちが出てくるんだろうなーと思う。 少なくとも、統合失調症の治療方法としては今のように投薬治療だけで終わりではなくて、いろんな心理療法も併用しながらの治療がこれからの精神医療では普通になってくるんじゃないかなーと思う。
僕もセルフケアの一環として個人的に認知行動療法やマインドフルネス瞑想を色々とセルフヘルプの方法を研究して、自分の生活の中で適応するようにしているのよ。僕も統合失調症の当事者であるけど、神経過敏で周りからの刺激に強く影響される統合失調症の当事者にはありがちな性格特性には、認知行動療法のアプローチはすごく有効である。
あくまでも個人的に認知行動療法とかマインドフルネス瞑想のセルフケアを試した僕一人の感想であるけど、統合失調症でも投薬治療と心理療法というのは併用した方が当事者もQOLが高まって社会復帰して社会に適応しやすい。世の中でも精神病の治療には心理的なアプローチというのももっとちゃんと適応されるように法整備とかした方がいいんじゃないかな。