超メモ帳(Web式)@復活

小説書いたり、絵を描いたり、プログラムやったりするブログ。統失プログラマ。


SPONSORED LINK

ケイト・マーフィ著『LISTEN』を読んだ。

ケイト・マーフィ著『LISTEN』を読んだ。


旅行から帰ってきてなんとなく疲れを溜めたままに仕事をやっている。最近はまぁ、仕事を頑張ってみようかという心持ちになってきており、ポモドーロタイマーをセットして一日4時間の作業時間をノルマにして仕事をやるようにしている。やはり、仕事は中途半端にサボるよりはしっかりとやり切った方が気分が良いらしく、メンタルの調子が悪い時も仕事を頑張ることでメンタルを回復することがある。


さて、今日は何を書くべきか? ちょっと本を読んでいて気がついたことなどを読書メモがてらブログに書いておくことにしようか。


最近、図書館からケイト・マーフィの「LISTEN」という本を借りて読了した。こちらの本については、Webのどこかでコミュニケーションの考え方で素晴らしいことを書いてる本だという噂を聞いて、自分の読みたい本リストに入れていたので借りて読んだ。



そこそこ厚い本なのだけど、旅行の時に飛行機の中で集中的に読んで読了することができた。図書館で本を借りるのもメリット・デメリットあるよね。無料でいろんな本を読むことができるのは図書館で本を借りることのメリットであるけど、分厚い本の場合は期限内に読みきれないことがある。その場合は、図書館のカウンターで再度借り直して最後まで読むこともあるけど、諦めて返してしまうこともある。


この「LISTEN」であるけど、コミュニケーションにおいては人の話をしっかりと聞くことの大切さを厚い紙面を使ってつらつらと書いている本であった。


対人でのコミュニケーションにおいて、自分の意思を伝えようとするあまり、相手の話を聞かずにこちらの意見を押し付けてしまうことがある。しかし、その場合には相手も譲らずに意見の押し付け合いになり対立してしまうこともある。コミュニケーションにおいて大事なことは、まずは相手の話をきちんと聞いてやることであり、1流のセールスマンであってもまずは沈黙して商品を売る相手の話を聞いてやり、信用関係を作った上で商品をオススメするというコミュニケーションをとるらしい。


この、相手に譲ってやる気持ちというのは、現代のSNSが発達した時代においては重要であるのに忘れ去られている考え方である。ネットでは誰でも気軽に情報発信をできるようになった。だが、自己顕示欲に駆られて他の人よりも目立とうと皆、声高に大きな声で刺々しい主張ばかりをするようになった。


SNS時代においては自分の意見を押し通すために強硬に意見を主張する人ばかりになり、自分のイデオロギーと反対側の主張を持つ人間というのは猛獣よりも恐ろしい存在だと感じるようのなってるのだという。その結果、いかにして相手の意見を論破して引き摺り下ろすことばかりを考えるようになり、異なる意見の主張を受け入れることができずに社会的な分断にまで発展していく。


この本の作者のケイト・マーフィ氏はアメリカ人であるので、アメリカの共和党民主党のネットでの分断を語っているが、これはアメリカばかりの問題でもないだろう。日本でも同様にXのような場所で、異なる政治主張の人間なら攻撃して良いとか、攻撃しなければならないという強迫観念に囚われてるユーザも大勢おり、今のネット空間は非常に息苦しい状態になっている。


社会の中で対立した意見というのは、対話によりそれぞれの利害関係を調整することでお互いに共生できるように政治などを通じて問題解決するものである。今現代の社会においては自分の側の意見を強硬に主張して、相手の意見には一切耳を貸さず、相手の意見をねじ伏せて無理やりコントロールしようとする。


その結果が、社会の分断による文化の停滞である。我々はインターネットで多くの人と繋がるようになった結果、膨大な情報を処理することができずに、広告や政治的なプロパガンダまじりの情報に散々混乱させられて心理状態を悪化させて誰とも心理的に心を通わすことができなくなった。他の人より目立ちたいという喉の渇きを癒そうとして、どうでもいい人たちの自慢話や罵詈雑言などの塩水を飲んでますます乾きを覚えるのである。


この「LISTEN」ではSNS時代のコミュニケーションのあり方以外にも、現実のコミュニケーションでも重要な考え方が書かれていた。自分が気になったのは、大事な人の話を聞くときは「ズラす聞き方」をしてはならないということであった。


世の中には結構そういう人は多いのだけど、相談を受けた時に自分の考え方を押し付けて相手の行動をコントロールするために「ズラす聞き方」をするのだ。相談は、相談相手自身が問題解決のための方法を持っており、正しいカウンセリングではそれを引き出すように「正しい聞き方」をするのだという。


そこんところのSNS時代のコミュニケーションのあり方に関する考え方で興味深い本であった。再読はしないと思うけど、大いに得るところは多い読書であった。

プライバシーポリシー免責事項