「わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる」(Dain著)を読んだ。
今日は本を読み終わったので読書感想文モードかな。僕は貧乏性なので読んだ本に関してはこのブログに感想を書いてある。抜書などして気になる文章を残しておくなどしておいたこともあるけど、結局読み返さずにメモが無駄になってしまうので、このブログに書いておくと何か新しい記事を書く時に検索して振り返る事ができるので読書メモとしても最適なのだ。
今回読んだのは「わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる」(Dain著)である。このDainさんは書名と同名の人気書評ブログの管理人さんだ。
スゴ本さんは僕はRSS登録して本が紹介されたらその書評を読んでみて、気になる本だとAmazonのお気に入りリストに保存して、手持ちの本がなくなり次第、手頃な本を購入してまた読んでいる。僕もまぁ小中高と文学青年で、いつも図書館に籠もってランボーの詩集やらユゴーのレ・ミゼラブルなどを読んでるような少年であった。大人になってからも常に手元に読む本は途切れさせず、最近はkindleの電書ではてなブックマークやtwitterなどで人気になった本を気になったら積ん読して読んでいる。
スゴ本さんの本も凄まじい書痴の生き方やらライフハックを惜しげもなく紹介してくれるような凄い本であった。この本を読んだ直後の感想はこちらである。
「あなたの知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる」を読了した。
— ゆきにー@雑文書き (@yuki_20211) 2020年5月15日
人生を変える読書とは何かを語っている。最良の人生のヒントがこの本に書かれていると思う。
凄まじい。
で、この本に煽られて「アンナ・カレリーナ」を衝動買いしてしまうのである。
— ゆきにー@雑文書き (@yuki_20211) 2020年5月15日
図書館行きたくなった。
まず本をどの様に選べば良いのか、スゴ本の選び方を紹介してくれる。スゴ本さんのやり方では図書館を上手く活用せよと言っている。Amazonで数万もするような絶版本であれど、国会図書館の複写サービスを使えば割安で手に入れることができる。国会図書館の複写サービスは半分までしかコピーすることが出来ないが、2人分のアカウントを用意したら一冊丸々手に入れることもできる。このスゴ本さんの本ではこのようにしてあらゆるサービスを使って本を読むためのテクニックも紹介されている。
「巻末の 「参考文献 」をたよりに幅を広げたり 、 A m a z o nの 「この本を買った人はこんな本にも興味があります 」をチェックすることでもできる 。あるいは 、図書館のレファレンスサ ービスを利用するのはどうだろう ?テ ーマと目的を具体的に述べ 、いままで読んできた本をならべると 、次に読む資料のリストを示してくれる 。複数の図書館にかけもちで相談すると効果的 。 「日本人のしつけは衰退してるのはホントか知りたい 」や 、 「乱歩みたいな短編 」を問い合わせてもいい 。質問と回答事例は 、第 2章で紹介した 「レファレンス協同デ ータベ ース 」が参考になる 。」
この本では単に書評として面白い本を勧めてくれるだけではなく、人生を幸せに生きるためにはどういう風に本を使えば良いのか?と読書家がどの様に本から人類の英知を得るのか方法を教えてくれる。例えば、「死」と「セックス」というのは日常生活の中ではダブーであるが、それは人生の根幹に関わる事柄だからという。人間が生まれてくるきっかけのセックスから、人間が終わる死。それをしっかりと理解してしまうことは人生の意味を深く把握してしまうことにつながる。この本では人生においてその2つを深く理解させてくれる本を紹介してくれる。
またスゴ本さんはお子さんがいらっしゃるらしく、どの様にして子供を育てていくかみたいな育児論の本の選び方なども紹介している。まさしく、読書家による人生全てでの読書の使い方を網羅している凄い本なのだ。本ばかり読んでいる頭でっかちは知識ばかりで全くなにも出来ないという風潮があるが、「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」という言葉にある通り、賢者は先人の残した書物を上手く活用することで人生の時間を2倍にも3倍にも伸ばして深い人生を送ることができるのである。
僕の読書への考えかたというのは、速読で大量の本を読んでも無駄で、何度も繰り返し読むべき本を持つべきだという哲学を持っている。これは淀川長治もこの様な事を言っていると書かれていた。
量は質に転化する 。一年で見た映画の本数を自慢してきた人に 、淀川長治はこう説いたという 。見た本数は問題ではない 。何度も見返すべき作品というものがあって 、それを見つけるために本数見る必要があるのだ
それでは何度も繰り返し読むべき本とはどの様な本だろう? この本の中では次の様な事が書かれていた。
「読前と読後で変化がないのなら 、その本は読むに値しない 。人生を揺さぶるものから口癖を変えるものまで 、大きさはともかく 、 「そのときの自分を変えるような本 」こそ読むべきだ──というわたしに 、ダイレクトに届いた 。フランツ ・カフカは 、友人への手紙でこう述べている 。
要するに私は 、読者である我々を大いに刺激するような書物だけを読むべきだと思うのだ 。我々の読んでいる本が 、頭をぶん殴られたときのように我々を揺り動かし目覚めさせるものでないとしたら 、一体全体 、何でそんなものをわざわざ読む必要があるというのか ?
「本で変えられるような自分ではない 」と豪語する人は 、完全に凝り固まった頭を持っているか 、自分の変化に気づけないぐらいの感度で生きているのだろう 。あるいは 、手にしているものは 〝本 〟という形態をとってなくてもよかったのかもしれない 。人生の 、生活の 、それぞれのタイミングにおいて 、打ちのめされるような本は必ずある 。それと知らず 、パンフレットかチラシを束ねたような本 (の形をしたもの )を消費して 「読書 」と称することもできる 。だがわたしにとっては 、カフカのいう 、 「書物とは 、我々の内なる凍った海原を突き刺す斧でなければならないのだ 」のほうが近い 。読書とは 、まさしく 〝毒書 〟なのだ 。」
読書というのは人生を変えるし、世の中には自分の人生に衝撃をあたえる本が確かに存在する。そういう本にであうために本書は羅針盤になるだろう。
- 作者:Dain
- 発売日: 2020/04/30
- メディア: 単行本(ソフトカバー)