超メモ帳(Web式)@復活

小説書いたり、絵を描いたり、プログラムやったりするブログ。統失プログラマ。


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【質問箱への回答】河合隼雄の「魂にメスはいらない」は読むたびに気付きがあるスゴ本だ。

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さて、今日は日曜定例の質問箱への回答。今週は3件ほど質問を頂いております。


あんまり前置きで文字数取るのもあれか。僕のどうでもいい話で紙面を無駄にすると質問者様に失礼だしね。じゃ、ちゃっちゃと始めよう。


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お、よしあき0938さんは常連ですな。こんばんわ~。


まぁ、ブログ論とかそれを書いているのはこのエントリーでしょうね。


www.ituki-yu2.net


ここで僕のネタ切れ対策を紹介しているんだけど、別にこりゃ原理原則ってわけじゃないです。僕の場合の方法を紹介してるだけです。


まぁブログのネタの法則的なものだけを述べるのならば、大体、どのブロガーでも得意なネタがあるはずなのでそれを自分で把握しておく事が重要です。このテーマの話ならいくらでも書けるってテーマがかならず見つかるはずです。


それと、別に毎回新しいネタで書かなきゃいけないって理由もないです。おんなじネタであっても期間を置いて書くと、そんなに気づかれないです。僕のブログは結構、同じネタのルーチンで書かれているんですよ。長く続いているブログをサルベージするとおんなじ傾向があります。大体、おんなじようなネタをおんなじ書き方で書いているパターンってのは珍しくない。


よしあきさんがどのネタを得意にしているかまではアドバイスすることはできないですけど、自分が書きやすいネタってのは自分が書いてきたエントリーを読み返すと分かるはずです。過去の記事を読み返して傾向を把握した上で、新たなエントリーのネタを探すとやりやすいかもしれません。


次の質問です。


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これは統合失調症の認知機能障害についての質問だね。


個人差はあるんですけど、統合失調症を発症すると認知能力や思考能力が低下する。統合失調症の陽性症状に関しては薬で抑えることが出来るんですが、陰性症状や認知機能障害については薬でも回復させることができません。


一応、教科書的な回答をするならソーシャルスキルトレーニング(SST)で低下した機能のリハビリをすることで回復します。大体、精神科デイケアなどに参加するとこのSSTをメインでやることになるかとおもいます。後は作業所や就労移行支援などで社会参加することも効果があります。こういった正攻法で活動できる領域を増やしていくのが統合失調症の回復期では重要になるかとおもいます。


一応、僕も認知機能障害があったのですが、小説を書いたり、ブログを毎日更新することで回復しました。


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統合失調症の認知機能障害や陰性症状への対策で一番のオススメはブログの毎日更新です。冗談に聞こえるかもしれないけど僕はマジで言ってます。僕が陰性症状で寝床から抜け出せなかったのに今の状態まで回復できたのは毎日ブログを更新していたからです。


やってみると分かるはずですが一日で思いついたことが整理されて頭がスッキリします。またブログを書くことがリズムを整えて、自然と生活習慣が安定してきます。


ブログで難しいことを書こうとして頭を悩ませそうな人も多そうですけど、別に日記でいいのである。ブログでwebに公開するとレスポンスが得られる。さらにちょっとブログの勉強したらアドセンスでお小遣い稼ぎまでできるのである。


別にブログに限らず、没頭できる趣味があればそれに集中したらいいのであるが、やりたい事が思いつかないってひとは騙されたと思ってブログの毎日更新を始めて欲しい。統合失調症のリハビリに限らず健常者でも生活にメリハリができるはずだ。


次で最後。


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僕が尊敬している人を聞かれると二人答える、「河合隼雄」と「カール・グスタフユング」である。


何度か書いているけど、僕は大学では心理カウンセリングを専攻してカウンセラーを目指していた。そのきっかけになったのが河合隼雄氏の「こころの処方箋」である。当時高校生だった僕は心理学の魅力を河合隼雄先生に教えてもらって大学の門戸を叩いた。


河合隼雄氏の偉業を一言で説明するとユング心理学を日本の文化にあわせてチューニングして、日本に心理カウンセリングの文化浸透させたことである。河合隼雄氏は最終的には文化庁の長官にまでなっている。長官になった後もカウンセラーとしての仕事を辞めなかったという人だ。


前に河合隼雄氏の業績についてはまとめたエントリーがあったはずだ。


www.ituki-yu2.net


実は質問箱の質問で河合隼雄氏について書くのは2度めである。


www.ituki-yu2.net


河合氏がすごいのは西洋人の思想で作られていたユング心理学を日本の文化に溶け込ませて、それの社会への広報活動までできたことなんだよね。もともと、ユング心理学ってのは異常なほど難解な学問なのよ。ユングは内向的な人で、多くの人に自分の理論が理解できるとは思ってなかったらしい。だから、自分の理論を広めようとは思っておらず数名の弟子だけに口伝で伝えようとしていた。こんなユング心理学がなんでここまで広がったかというと、ユングが無くなる数ヶ月前ぐらいにTVに出演して、そのためユングは多くの人々に自分の考えが伝わっていくビジョンを見たとのことだ。その結果、死ぬ数週間前に初のユング心理学の入門書を作成。その結果として世界中に思想が広がることになった。


河合氏は日本にユング心理学を伝えた第一人者なんだけど、その日本に伝えられたユング心理学は河合氏の思想が色濃く反映されている。いや、むしろ日本のユング心理学ってのは河合心理学って言ってもいいものじゃないかと。日本人の深層心理を深く理解して日本の文化向けにユング心理学を作り変えている。


河合氏はカウンセラーとしても達人級の人だった。カウンセリングの臨床の現場ってのはまさしく刀の鍔迫り合いみたいな胆力が必要な場所で、気を抜いた一言でクライエントは自殺してしまうかもしれない。カウンセラーの仕事というのは全存在をかけてクライエントの全てを受容するみたいな人間の器が求められる仕事なのよ。


カウンセラーの仕事では人間への理解力が求められる。河合氏はこれがまさしく達人級。話を聞いていて深くなりすぎてクライエントが自分で自分を傷つけようとすると絶妙なタイミングで会話を止める。カウンセリングでは対話深めてくると無意識の力で現実世界と精神世界の不思議な一致が起きたりするんだけど、それをどんな象徴なのか理解して適切な一言を助言したする。人間としての器が化物クラスの人なんである。その記録なんかを読むと、なんでか分からないんだけど何故かクライエントが癒やされていく。


こりゃまぁ、僕の拙い文章で伝えるのが無理筋なんだよな。河合氏がどれぐらい凄い人だったかってのは下記の本を読んで欲しい。人生の深さに応じて、読むたびにそのたびに気付きを与えてくれる凄い本だ。河合氏が人間の深い領域を理解していた事が分かるはず。


魂にメスはいらない ユング心理学講義 (講談社+α文庫)

魂にメスはいらない ユング心理学講義 (講談社+α文庫)


今日はこんな感じ。来週もまたやるので質問はお気軽にどうぞ。

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