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「知的文章術入門」(黒木登志夫著)を読んだ。

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「知的文章術入門」(黒木登志夫著)を読んだ。


最近の悩み事の一つに、本を読んでも感想を書かないということがある。ほとんどアウトプットしてないけど、最近は割と大量に本を読み込んでいるのである。ちょっと前ならブクログに記録をつけたりとかしてたけど、最近、本を読んでもアウトプットする気がまーったく起こらない。


これはちょっと良くない。Scrapboxに読書メモをつけようとかして抜書したりとか、kindleで読んだときはマーカーで印とかを付けてはいる。だけど、本を読むことばっかりに集中してしまって全然記録を付けることができてないのだね。


ここんところは図書館にも積極的に通うようになって読書量が増えているのに、ただの趣味の読書みたいに本を読んじゃうのはもったいないなと思う。いや、単なる貧乏性だけど、勉強したことってアウトプットしたほうが記憶への定着率が高いでしょ。そういうせこいことを考えるのが本を読む時に焦らせちゃってなんか駄目な感じなんだけど、せめて本を読んだらばブログ一本分ぐらいのアウトプットは行わんとなーと感じた。


というわけで、今日は読んだ本の感想を書く。今日読み終わったのは「知的文章術入門」(黒木登志夫著)だ。



この本に関しては、倉下忠憲さんのポッドキャストの中でおすすめされていたので、良さげな内容だったので購入して読んでみた。知的生産クラスタの人なら絶対読むべき本だと思う。


書いてある内容に関しては「情報収集」「情報整理」「情報発信」の知的生産ではない。どのようにして大学の教授がどのようにして情報の収集を行って、論文などの文章を書いたりとか効果的なプレゼンの方法とか、情報のアウトプットに力点が置かれている。


あと、作者の黒木先生は海外での活動が多いみたいで、英語でのコミュニケーションとか考え方についても大きく紙面を取られている。最後の章はほとんど英語でのメールのやりとりの常套文が占めていた。まぁ、英語は重要っすよ。黒木先生はwikipediaでの情報量の差について言及していたけど、日本語と英語でアクセスできる情報の量には大きな差が存在する。日本語のwikipediaではおざなりな記事しか無い項目であっても、英語版だと綿密に情報がまとめ上げられている事がある。英語というのは今のグローバルのデファクトスタンダードな言語みたいなもんであるし、アカデミックな活動をしようと思うのならば英語出来ないとお話にならないですね。


ちなみに黒木先生は「知的文章術とはなにか?」ということについて、「男はつらいよ」の寅さんの言葉を引用して次のように述べている。

「お前は難しいことを聞くなあ……つまり、あれだよ、ほら、人間、長い間生きてりゃあ、いろいろなことにぶつかるだろう。な、そんな時、オレみたいに勉強していないヤツは、振ったサイコロの目で決めるとか、その時の気分で決めるよりしょうがない。ところが、勉強したヤツは、自分の頭できちんと筋道立てて、はて、こういう時はどうしたらいいかな、と考えることができるんだ」

寅さんが言うように「自分の頭できちんと筋道を立てて」考えた結果を文章に書き、文書としてまとめる方法が「知的文章術」である。

黒木登志夫 知的文章術入門 岩波新書 はじめに ⅲ


こういう、自分の頭できちんとものを考えて、それを文書としてまとめ上げる能力というのは、現代においてものすごい力を持つ。文書をまとめたりする能力ってのは別にお役所仕事とかそういう所でだけ使われる能力ではなくて、例えば、個人が生活している中でも、ちょっとパソコンを買い替えたいと思った時にインターネットを調べてメモを取りながら比較整理して安いPCを購入する資料を作ったりだとか、そういう日常生活のなかでも重要度が高いスキルである。


僕みたいにこうやって毎日くだらない雑文を書くのだって、なーんも頭使ってなさそうに思えるかもしれないけど、一応、本文を書き始める前に簡単に箇条書きでアウトラインを書き出して整理する程度はやってるんですよ。上記の例のPCを買うときの比較資料を作るのは個人用の文書だけど、文書をつかって色んな人に情報伝達をしたりだとか、ブログで公開してしまうっていう風な文章の場合には、構成とか読みやすい表現を考える必要がでてくるんですね。


この黒木先生の「知的文章術入門」では、インターネットや図書館から資料を集めてきたりして、なおかつそれらの情報を「簡潔・明解・論理的」な文章に仕上げる方法が網羅されている。情報の収集のしかたにしても、政府の統計のインターネット窓口「e-Stat」とか、各種論文データベースとか、実際に研究者がどのようにしてインターネットで情報を集めているのか知ることができる。


自分の感覚でなんとなくでしか文章かけないとか、知的生産術についてちょっと知りたいと思う人には、新書でもあるしボリュームもそんなに厚くない(全219ページ)なので読んでみても良いと思いますよ。僕も繰り返し読んで血肉にしたいと思う。


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