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「僕は君たちに武器を配りたい」(瀧本哲史著)を読了した。

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「僕は君たちに武器を配りたい」(瀧本哲史著)を読了した。


最近、本を選ぶのに図書館やリアル本屋で実際に内容を確認して選ぶ重要性に気がついた。


嫁さんと一緒に沖縄県立図書館に行ってみたけど、今はまだ予約した本の貸し出ししかしてないみたいで、書庫を眺めることが出来なかった。なので、ジュンク堂で二人で本を色々と選んでいた。


やっぱり、リアル本屋で並べられてる本を眺めながら本を選んだりすると、イメージを喚起されて色んな本が読みたくなってくる。まぁ、僕は家に本棚を置くほどのスペースがないので、本屋で本を買ったとしても、抜書きや感想をEvernoteやブログに記述してすぐにブックオフなどに売り払おうと思ってるのですけどね。とりあえず、ちゃんと読んだ本を記憶に残るようにするために感想文などはしっかりとブログに書いておこうと思う。


今日読んだのは「僕は君たちに武器を配りたい」(瀧本哲史著)である。どんな風な本かと短く説明すると、「本当の資本主義社会が押し寄せてきた日本で生き残るために、投資家の視点を持て」と主張している本である。


この社会では、大量生産大量消費が進んでいるために「コモディティ化」が進んでいる。「コモディティ化」というのはどういう事か?というと、ほとんどの商品が同じ様な均等な品質で大量生産されているために、売値をどんどん値下げしないと売れない様になることである。


これは家電や自動車などがどんどん高品質で安価になる事を指すのだけど、消費者にとってありがたい事であれど、商売をする側にとってはどれだけリソースを注ぎ込んでも薄利にしかならない事になる。


そうして、このコモディティ化というのは商品だけに留まらず、人材に関しても進んでいるのである。現代日本では大学進学率は50%を超えているのだという。ほとんどの人が大卒になってしまった結果、高学歴の人間であっても対して価値を認められず、ワーキングプアで働かざるを得ない就職市場が出来上がってしまってるのだ。


この人材のコモディティ化というのがこの本の一番重要なテーマで、この資本主義市場のプレイヤーは、周りの人とおんなじように大学を出て適当に資格を取って、流れで入れるような会社に入って何も考えずに働いていると、より強い市場のプレイヤーに飼い殺しにされて低賃金で使い潰されてしまうのである。


なので、この資本主義の市場でどういう風な行動を取れば有利に立ち回れるのか、ルールを上手く利用して自分へ返ってくるリターンを高めなければならない。資本主義の市場で価値を生み出せる作戦は次のとおりである。

1、商品を遠くに運んで売ることができる人(トレーダー)
2、自分の専門性を高めて、高いスキルによって仕事をする人(エキスパート)
3、商品に付加価値をつけて、市場に合わせて売ることができる人(マーケター)
4、まったく新しい仕組みをイノベーションできる人(イノベーター)
5、自分が起業家となり、みんなをマネージ(管理)してリーダーとして行動する人(リーダー)
6、投資家として市場に参加している人(インベスター =投資家)


この中でトレーダーとエキスパートは陳腐化しつつある。トレーダーはインターネットや高度な流通が生まれた結果、世界中のどこでも瞬時に情報が伝達され、世界中のどこでも等しい価値で取引がされるグローバル市場が出来上がった結果だ。エキスパートはどんなに洗練されたエキスパートであれど、それだけで一つの場所で価値を生み出せるのは難しくなっている。例えばアメリカのフォード自動車などは、熟練工を抱え込んで育てるスタイルを取ってたが、それも日本の安価で高品質な自動車を作るような擦り合せ生産のスタイルに追い越されてしまった。また、今度は日本も東南アジアの新興国にその立場を奪われて、そのシェアを奪われつつある。


なので、現代のグローバル資本主義社会で生き残るためには、マーケター、イノベーター、リーダー、インベスターの考えかたを利用して、自分を最大限に高値で売れるように作戦を立てないといけない。


ここではインベスターとしての自分の価値を高める方法をお伝えして参ろうか。引用をいくつか紹介しよう。

資本主義では、「自分の少数意見が将来、多数意見になれば報酬を得られる」という仕組みになっている。

就職先を考えるうえでのポイントは、「業界全体で何万人の雇用が生み出されるか」という大きな視点で考えるのではなくて、「今はニッチな市場だが、現時点で自分が飛び込めば、数年後に 10倍か 20倍の規模になっているかもしれない」というミクロな視点で考えることだ。まだ世間の人が気づいていないその市場にいち早く気づくことなのだ。

投資ではよく「市場の歪み」を見つけることが重要だといわれる。「歪み」とは、本来であればもっと高い値段がついていいはずの商品が不当に安く値付けされていたり、もっと多くの人が買ってもいいはずなのに誰もまだその商品に気づいていない、といった状態を指す。つまりその「歪み」を正すことが、社会にメリットをもたらし、自分には財を運んでくれるのである。

答えは簡単だ。「株式投資ではない形で、インサイダー取引をすればいい」のである。その場合は 100%合法だ。公開株式に株式投資するのではなく、自分の知識や労働力や人脈を投資して、インサイダー取引をすればいいのである。

株式投資ではないインサイダー取引は、 100%違法ではない」と述べたが、それをより具体的にいうと、「公開・非公開は問わず、この会社は伸びると確信したら、株式以外の投資をすればいい」ということである。


この「株式投資でないインサイダー取引」というのは、これからこの会社は伸びるという確信をしたならば、株式投資以外の方法でその企業に投資をしろ、という事である。例えば、これから間違いなく伸びると確信する会社を見つけたのなら、その会社に労働力を投資する。自分がその会社で働いてしまうのである。その他にもサラリーマンとして働いているなら、自社との取引先でこれから伸びるだろう企業を選択するなどの方法だ。


どの企業が有望であるかは、それは実際に自分での情報収集と情報分析能力を駆使して発見するしか無い。だが、ヒントを与えるとするならば、CIAなどのインテリジェンス情報機関は、何かの兆候などを調べようとするならばほとんど新聞やネットなどで公開されている情報を第一に考えて調査する。そこから分からないディティールなどは実際に内部にいる人間に聴き込んではっきりさせるのである。

投資家は「調べる一手間」を惜しまない  本書の中で F X取引などにハマってしまう人は「自分の頭で考えることをしていない」と述べたが、世の中の多くの〝残念な人〟は、「自分で調べる一手間」をかけようとしない。しかし投資家として生きるのであれば、あらゆることについて自分で調べてみて、考えて結論を出すことが必要となる。


株式会社ならIRなどの経営上の情報は全部ネットなどに公開されている。また、電話で不明点などをその会社の広報担当に聴き込むだけでもちゃんとした経営方針やこれからの指針などを教えてくれる。また、実際にその企業の中の人に話を効いてみるのもいいだろう。


これからの社会、なにも考えずに漫然と会社に勤めているだけでは、いつ会社が倒産したりリストラにあったりするか分からない。終身雇用制度というのはとっくに崩壊しており、一つの会社だけに労働力というリソースを費やしていると、いつ大損するか分からないのである。


資産運用の金言として「卵は1つのかごに盛るな」という言葉がある。現代の社会人に求められる態度は、常に考えながら走り続けることである。ろくろく考えずに耳障りの良いインフルエンサーの言葉に騙されたるする様な人たちは永遠に搾取され続けるだけである。投資家として世の中の価値を観測し続けて、これから伸びる商品に投資することで自分への利益を増やすものが強者である。


僕は君たちに武器を配りたい

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