さて、大晦日。あと数時間で２０１７年が終わる。僕は傍らで紅白を流しながら泡盛をいただいておる。忙しくなるかと思えば、結構暇だね。このエントリーで２０１７年のブログを〆る。２０１７年は３６５日連続更新をコンプリートするという快挙を成し遂げた。
４月２０日に１日２回更新してしまったので、今日で綺麗に３６５日とはならなかった。まぁいいや、来年もこの調子で３６５日更新が目標だ。別段、毎日更新が偉いとは思わんが、ここまで続けてしまうと止められなくなるのがはてなブログの魔力だ。投稿完了後に連続更新日数が出てくるので、それがモチベーションになって毎日更新が止まらない。最低でも１０００日連続までは続けようと思う。
今日は通常進行で２０１７年〆のエントリーを書かせてもらう。日曜日なので質問箱への回答の日だ。今週は１件しか届かなかった。早速、質問への回答をしてまいろう。
右足用の靴下が売って無いんだけど、どこに行けば売ってるの？
これは一見、シンプルに見えるが人類の認識、全てを覆さないと答えられない質問だ。人間の認知の方法の仕組みを知っていないと「両足共通だよ」とか「足指付きの靴下なの？」とか「ggrks」などの回答をしてしまいがちだが、それは浅い。幸いにして僕の大学での専攻は認知心理学なのでそれに基づいて回答しよう。
ジェームス・J・ギブソンが発見した「アフォーダンス」という概念がある。
アフォーダンスは、動物（有機体）に対する「刺激」という従来の知覚心理学の概念とは異なり、環境に実在する動物（有機体）がその生活する環境を探索することによって獲得することができる意味／価値であると定義される。
アフォーダンスの概念の起源はゲシュタルト心理学者クルト・コフカの要求特性（demand character）の概念、あるいは同じゲシュタルト心理学者クルト・レヴィンの誘発特性（invitation character）ないし誘発性（valence）の概念にあるとギブソンは自ら述べている。
従来の認知科学の考え方では動物は刺激を学習して、その刺激に適応する反応を返すという考えたをしてきた。それに対してアフォーダンスの概念は一石を投じた。例えば、椅子がある時に人間が座ることができるのは、人間が座れる刺激を学習した故の行動という風に認知科学では解釈するが、どのようにして原初の人類が椅子の構造を学習したとか、どのような学習の仕方で「椅子に座る」という行動を覚えるのかなどの部分で従来の認知科学では回答できなかった。これに対して、ギブソンは人間の身体の構造が椅子に座ることをアフォードしているから、人間は椅子に座ることが出来るという解釈の生態心理学を発表した。
人間の身体の構造に対して、腰の高さぐらいの高さの、固くて安定した平面は座ることをアフォードする。これは学習によって得られる経験ではなく従来から人間に備わっている認知能力であると解釈する。動物の認知能力は環境の中にあるゲシュタルト的な情報に対して直感的に行動を理解できるという能力があるのだ。
アフォーダンスは建築学などで応用されている。例えばドアを見た時にそれを引くのか押すのか一見すると理解できない。押すタイプのドアならばドアノブを平らな板にして、引くタイプのドアなら引ける引き手を用意することで、利用者に直感的な使用方法を理解させるというのがアフォーダンスでの現代建築だ。
ここで質問者様の問いに立ち返ろう。
右足用の靴下が売って無いんだけど、どこに行けば売ってるの？
靴下というのは、足に装着するのに適当な弾力を持った袋状のものという属性を持っているものだ。なおかつ、右足に装着するアフォードをもった物がないと質問者様は問うておるのである。
アフォーダンスとはその観測者の身体性に属した環境の情報を直感的に理解できるというものなので、この質問者様の右足は、我々一般的な人類が認識できる靴下に適応する足とは違う構造の身体性を持っているということだ。つまり、質問者様は地球上に住む人類とは違う宇宙人なのだ！
アフォーダンスは身体性に属するものなので、宇宙人ならば宇宙人の身体性に属したアフォーダンスがある。宇宙人の文明は、我々人類とは異なるので安易にこの問に答えるのは危険だろう。一見、日本語と思えるこの問が宇宙人からの地球存続を問うメッセージなのかもしれない。もしかすると、言語の相違で宣戦布告につながってしまうかもしれない。僕は人類の存続のためにこの質問に対しては「ユニクロで高くても４００円で７足セットで１０００円だよ」と答えるに止めよう。
さて、今日は危ない橋を渡ったのだが、こんな感じで問われた問にはなんでも答えている。真面目に答えたら負けだと思う質問には全力でボケるけど、基本的にはマジレス推奨の質問を募集している。質問があれば日曜日には答えるので何でも質問してね。
今までの質問への回答はこちらから。
さて、今年のブログはこれで〆る。明日からも通常進行で毎日続いていくけど〆るのは〆る。それでは皆様、良いお年を。
