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実存主義とか構造主義とか他者論とか、西洋哲学について色々と考えた。

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哲学入門の本を読んでいる。


読書が楽しい。僕は車通勤で一日二時間ぐらいは運転しているんだけど、その間、Audibleでオーディオブックを聞いている。最近聞いているのは『史上最強の哲学入門」だ。



史上最強の哲学入門 (河出文庫)

史上最強の哲学入門 (河出文庫)

  • 作者:飲茶
  • 発売日: 2015/11/05
  • メディア: 文庫


これ、哲学入門の本ではまさしく史上最強じゃないかな? 今は真理編しか聞いてないけど、プロタゴラスソクラテスの対決を枕に、相対主義から真理を求める西洋哲学の流れをたどり、デカルト、カント、ヘーゲルを経て実存主義サルトルまでたどり着く。近代まで来てまたレヴィ・ストロース構造主義からのポスト構造主義デリダ脱構築相対主義に戻る。だけど、その構造を俯瞰したレヴィナスの他者論に至るまでの流れを解説しているのよ。


ちょっともう、かつてないぐらい西洋哲学の入門書としてはわかりやすいと思う。僕はこれではじめてなんで構造主義実存主義を否定できたのかわかったもん。要するにサルトル実存主義が見つけた実存はヘーゲル弁証法を通じた西洋哲学での到達点だったわけだな。そこにレヴィ・ストロースが「悲しき熱帯」で、サルトルが提唱していた「歴史への参加」みたいな西洋哲学だけの独りよがりな一方向への進歩主義を否定した。それからデリダポスト構造主義まで至ると、音声中心主義の否定による個々人の理解に真理があるというのを認めちゃう様な脱構築にまで至ってしまった。


脱構築まで至ってしまうとそれはもう相対主義と変わらないんだけど、そこには構造の埒外にある他者の存在を認める図式がある。究極的な真理というものがあるのではなく、真理とはそれはレヴィナスの他者論による構造的なもので示されるものというのがポスト構造主義の到達点。


いや、ホント、西洋哲学が真理まで至る道程がエキサイティングで楽しいのよ。ここまで西洋哲学の流れがわかりやすく解説されてる入門書は珍しいと思う。自分もなんとなく究極的な世界の正解なんかを考えたりするんだけど、この本で説明された他者論までの流れで一応、一通りの考えがまとまった。


僕がたどり着いた答えは「真理を求める態度こそが真理である」「真理は求めた瞬間にたどり着いている」ということかな? 僕はまぁ多分にフランクルの「それでも人生にイエスという」とかあの辺りの実存哲学の影響を受けているので西洋哲学的な真理の方向性を向いている。だけど、今回、レヴィナスの他者論で考え方をアップデート出来た気がする。真理というのはそれを求める構造の中にあるのではないか?と思ったのである。今の僕が真理だと思っているのは、真理を求める哲学者のセンス・オブ・ワンダーである。相対主義の諦めによる停滞の中に落ち込まない真理を求めるセンス・オブ・ワンダーこそ真理そのものだという結論に至った。


まぁ、僕の考え方は多分に心理学的だからね。こころとかそういうものに究極を求めてしまうのよ。レヴィ・ストロースは西洋哲学の真理を否定したけど、世界すべての考え方の中にも共通するような考え方の構造があるのではないかというのが僕の考え方だ。これはユングの普遍的無意識から発想したことなんだけど、論拠を示そうとする時は生態心理学のアフォーダンスなんかがつかえるかなー?とか思う。


要するにまぁ、人間の体の構造ってのはみんなおんなじだし、形作られる思考のパターンも同じ構造があるのだろう。そこには普遍的な無意識があっても不思議じゃないって考え方だ。アフォーダンスというのはちょうど腰掛けられるぐらいの高さの段差はすべて座ることをアフォードしているなどの、環境が人間の行動を規定しているって風な論理だ。人間の体の構造では、それに規定された認知パターンが形成される。その認知パターンの中に全人類共通の普遍的な認識があってもいいかなー?みたいな考え方だ。ちょっとカントの経験主義っぽい。


まぁ、結論的には、構造の中に実存があるとかそんなところにたどり着くんですけどねー。人間の身体の構造で作られるこころは一定で、その中に普遍的な無意識で規定される真理は一緒という考え方なんですわ。西洋哲学だろうが東洋哲学だろうが、人間のおんなじ身体の構造で作られた考え方ならば、究極的にはおなじ真理を別のフィルターで見ているって感じ。個々人で違った理論であっても真理はひとつなのだ。


まぁ、にわか仕込みの自分の哲学で考えた真理ですけどね。基盤となる過去の先行研究の読み込みが全然足りないやつです。何度かこの本は繰り返し読んでみようと思います。

今日の徒然


朝、雨でランニングに行けなかった。明日は整体に行く予定だ。来週までランニングは休んで、膝の痛みが抜けたら走ろうと思う。

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