
ゴールよりは方向性を定めてそちらの方に向かう。
今日は少しだけ、方向性の話をしておきたい。
沖縄はここ数日、暑くなったり寒くなったりしている。三寒四温というやつで、春に向かう途中の、あの落ち着かなさだ。朝の空気がひやっとしていて、でもどこか柔らかい。季節がゆっくりと舵を切っている感じがする。たぶん今の僕も、そんな感じなんだと思う。
最近、興味の重心が少し変わった。イラストよりも、ダイエットとか体調管理のほうに意識が向いている。本番の絵を描こうかなと思いはするけど、正直なところ、そこまでのモチベーションが残っているかは微妙だ。だったらいっそ、しばらくは体重を落とすことをメインテーマにして生活を組み立ててみるのも悪くない。
創作は逃げない。モチベーションが戻ってきたら、小説を進めればいい。そう考えると、少し肩の力が抜ける。やっぱり自分のメインは小説だと思う。物語を書きたいという欲求は、どうやっても消えない。Kindle本を出して、出せる賞があれば出して、じわじわと積み上げていく。派手じゃなくていい。まちまちま、生き延びるみたいなやり方でいい。そのためにも、体調管理は土台になる。
昨日、ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)の本を買った。
メンタルの揺れをどう扱うか、あらためて勉強し直そうと思ったからだ。僕は昔から、同じ考えが頭の中をぐるぐる回る癖がある。理屈でねじ伏せようとしても、うまくいくことは稀だ。
「シロクマのことを考えないでください」と言われると、むしろシロクマが頭から離れなくなる。シロクマ現象と同じで、悩みを追い払おうとすると、かえって居座られる。
ACTはそこを無理に排除しない。繰り返し浮かぶ感情や記憶を、あるがままに置いておく。苦しいものは苦しいまま、そこにあっていいとする。脱フュージョンという技法で、思考と自分を少し引き離す。実践してみると、たしかに理にかなっている。戦わないほうが、消耗しない。
僕はこれに、仏教的な視点やマインドフルネス瞑想を組み合わせている。精神的な安全圏を、自分の内側に作る感じだ。メンタルがぐらぐらする日があっても、「ああ、いま揺れてるな」と観察できれば、それだけで少しマシになる。
そしてACTがもう一つ教えてくれるのは、「ゴールより方向性」という考え方だ。
何かを達成したら幸せになる、という設定は危うい。賞を取れたら、売れたら、痩せたら。そうやって条件付きで幸福を置くと、達成するまではずっと保留になる。それよりも、自分がどういう方向に進みたいのかを決める。
僕の場合は、晴耕雨読みたいに、創作をしながら、仕事もして、面白おかしく生きていくことだ。小説を書き、絵を描き、身体を整え、日々を淡々と回していく。派手な成功よりも、そっちのほうがしっくりくる。
今は細かいことにとらわれて、ごちゃごちゃしている。でも方向さえ見失わなければ、多少寄り道しても問題ないはずだ。春が少しずつ近づいてくるみたいに、僕も少しずつでいい。
ダイエットに意識が向いているのも、創作から逃げているわけじゃない。長く書き続けるための準備だと思えばいい。身体とメンタルを整えながら、小説をリライトして、またKindleに載せられる形にしていく。「玲と真輝」の2作目の『イヌガミギフテッド』も、ちゃんと世に出したい。
ゴールにしがみつくんじゃなく、方向を定める。今日はその確認ができただけで十分だ。三寒四温の朝みたいに、少し寒くても、確実に春へ向かっているとわかっていれば、それでいい。
