結局、内向的人間が生き抜くためにはどうすりゃ良いのか?
ネットをフラフラしてると、シロクマ先生のBooks & Appsへの寄稿から始まるコミュニケーションについての議論があった。
なにか書けそうだなーと思った。僕自身、かなりの人見知りをするタイプというか、人に気を遣ってMPを無駄に消費するタイプであるけど、ある時から人に期待するのをやめたおかげで無駄なMP消費をしなくなったのだ。
シロクマ先生の記事の冒頭にあったこのツイートであるけど、これは違うかなと思う。
多分人と話すとMPが回復していく生き物と、人と話すとMP削れていく生き物は根本的に分かり合えないのだと思う。
— 前島賢(大樹連司) (@MAEZIMAS) 2024年8月30日
人と話すとMPが消費する人種と、人と話すとMPが回復する人種では分かり合えないという趣旨のツイートであるけど、これはまた違うベクトルが入ってる話というか、過度に自罰的なタイプとか他責的なタイプであれば、同じ人種でも分かり合えないものであると思う。
僕のブログでもよく、内向的・外向的についての話をしたりするけど、歳をとってきたせいなのか内向的な性格ではあるけど人の目があんまり気にならなくなってきた。良い意味で空気が読めなくなってきたというか、無理して人と付き合って合わせなくても生きられるような感覚が身についてきた、と思うのである。
陳腐な物言いのような気もするけれど、「人を期待して合わせて消耗するよりは一人で生きた方が楽」。もとより僕は内向的であり、自分の心的エネルギーを充実させるためには一人で色々と趣味の活動をするのが必要な人間である。どうも、世の中にはみんなで集まってパーティーや飲み会をすることで心的エネルギーの回復ができるような人間がいるらしいが、僕はそこんところはさっぱり理解できない。
僕の場合は、親しい人と深く語り合ったりして相手の内心の深いところを知ったりするようなコミュニケーションは好きであるけど、みんなで集まって浅くウェイウェイノリを楽しもうぜー! というコミュニケーションがさっぱり分からない。学生時代とかはこの手のウェイ系がコミュニティを仕切っていたので、全てにおいてノリを求められるような時期があったけど、あの頃は本当に嫌だった。
これは、コミュニケーションのタイプが違う人種と話してるから疲れるというよりは、無理やり相手に自分の行動をコントロールされてたから疲れるのだと思う。おそらくこれは逆も然りであり、外向的なタイプが内向的なタイプに無理やり行動をコントロールさせられるパターンがあれば、外向的なタイプの方が疲れ果ててダウンしてしまうだろう。
内向的なタイプが外向的タイプをコントロールするパターンというのはどのようなものが考えられるのか? どうも、営業などの外向的な方が向いてる人たちの行動を見ていると、彼らは一つのことに集中してコツコツと積み上げる内向きな行動というのを忌避していることがよくある。彼らは他人とのコミュニケーションのやり取りで物事を進めるのは得意だが、自分一人で情報を整理したりするようなことは嫌いらしい。
そこのところは種族の違いのようなものなのだから、自分の弱点を補うために頑張れ! という言説も間違ってる気がする。例えば、MicroSoftのビル・ゲイツは性格的には内向的なタイプではあるが、MicroSoftにはポール・アレンとスティーブ・バルマーがいた。彼らはそれぞれの得意分野を補うことでMicroSoftを成功に導いた。逆に外向的なリーダーのタイプとしてはAppleのスティーブ・ジョブズがいるが、ジョブズにはスティーブ・ウォズニアックとティム・クックがいた。時に思いつきで暴走しがちなジョブズを技術面やビジネス面でコントロールしてた彼らがいたからこそAppleは大成功したのである。
内向的で困ってる人にアドバイスをするとするなら、ビル・ゲイツの戦略を真似していくのがいいだろう。内向的なタイプというのは、多くの人と薄く広く付き合うのは苦手ではあるが、一人の人と深く付き合っていくのが得意なパターンというのが多い。自分をサポートしてくれるような外向的な人物と友達になり、その人に自分の言いたいことを代弁してもらったり外向的なスキルが必要な作業を肩代わりしてもらうのがいいのではないかと思うのである。
そんな他人を利用することなんてできない! ということを内向的なタイプは言いがちであろう。僕もそんな考えが浮かぶけど、これは「相手を利用」ではない。違うタイプが手を結んで「共栄共存」の道を探るのである。
外向的なタイプというのは、細かいことをコツコツと集中してやったりする作業については苦手だ。そこんところができなくて困ってる外向的なタイプがいるのであれば、勇気を出して申し出て作業を肩代わりしてやるのである。そういう外向的なタイプが苦手としてる仕事を代行する代わりに、外向的なスキルが必要な作業についてやってもらうなどの戦略が有効だろう。
案外、外向的なタイプも内向的なタイプについては「黙っているから何を考えてるか分からない」と苦手意識を持ってるので、こちらから心を開いてやることでコミュニケーションが成立することが多い。適切な情報開示と情緒的な交流というのをある程度、意識してやることでこういう人間関係も構築できるものである。それができたら苦労はないという人もいるかもしれないが、その辺りはまぁ、踏ん切りというか勇気よね。