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「ひとつずつ、ひとつずつ」(アン・ラモット著)を読んだ。

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「ひとつずつ、ひとつずつ」(アン・ラモット著)を読んだ。


今日は計画休業で休みで、午後から嫁さんと一緒にスタバで作業してた。最近、暇なときはスタバで何か書き物とかしている。スタバのアプリとか入れた方が良いのかなー?とか思ったけど、それほど大きなメリットもなさそうなので別にいいかな。


今日はアン・ラモット著「ひとつずつ、ひとつずつ」を読んで読了した。



ちょっと、今は文章読本などを色々と研究するのがマイブームで、この「ひとつずつ、ひとつずつ」に関してもナタリー・ゴールドバーグの「魂の文章術」から、amazonでレコメンドされてくるアンリミテッドの本だから読んでみた。


なんか、僕は最近、ロジックのみで小説を書くようなやり方に反発を覚えており、自分の中にある書きたい気持ちを上手く表現して文章を書くようなやり方に興味を惹かれている。ナタリー・ゴールドバーグの「魂の文章術」がそういったやり方の文章読本としては最上級の文章読本ですね。前に読んだときに感想を書いた。


www.ituki-yu2.net


「魂の文章術」はなんかタイトルとか表装が安っぽい感じですけど、中身はすごく物書きを目指している人を勇気づける言葉がいっぱい詰まった良い本でした。どうも、タイトルと表装を改定して新しく出版されたらしいんですけど、古い方のバージョンの方が内容に沿った感じでしたね。


今回読んだ「ひとつずつ、ひとつずつ」も似たようなパッション重視の文章術の本だったんですけど、どうもこの本の作者のアン・ラモットという人はアル中だったり人格破綻者というか、随分と4文字言葉とかセンシティブな表現が多すぎてひやひやするんですよ。この人はアメリカの作家ですね。でも、なんかあんまり有名な人でもないみたいです。邦訳されてる本はこの本と子育てに関するハウツー本ぐらいで、他には小説は一冊も翻訳されてないですね。


どうも、この本は翻訳もこなれてない感じというか、日本の文化圏では理解しにくい比喩が多用されすぎてて、文章がすんなりと入ってこない。僕の好みの問題かもしれないですけど、枝葉でしかない比喩で脱線しすぎていて内容があんまり伝わってこないですけど、でも、創作に対するすさまじい熱量みたいなものは感じ取れます。

作家に自分の姿勢に対する信念がなければ、作品を書く原動力は生まれてこない。自分の言葉を信じていなければ、どんな言葉を吐いても意味はない。

アン・ラモット. ひとつずつ、ひとつずつ (p.177). パンローリング株式会社. Kindle 版.

言うまでもないけれど、真実をたったひとつの文章や段落で表現するなんてできない。真実はバンパーステッカーの標語とは違うのだから。ジョークや短い言葉にきらめく洞察が隠れていることもあるだろうけれど、人生の根本的な真実をごくわずかな語数で表現するなんて、作家の手に余るわね。作品の中のちょっとしゃれた警句に真実を込めるのじゃなくて、あなたの書く作品全体が真実でなくてはいけない。
人生の真実を自分の作品の中で表現するには、真実をひもとくプロセスが必要だし、層のように折り重なるような表現が必要。私たち作家は、既知のことと未知のこととの間に立って、言葉でたやすく表現できない何かに取り組んでいるのよ。もっとよく観察するため、釣り竿のリールを巻いて既知と未知のことを自分の近くへ引き寄せようとしているのね。だから、まるまる一冊の本が必要になる。

アン・ラモット. ひとつずつ、ひとつずつ (pp.172-173). パンローリング株式会社. Kindle 版.


僕もまぁ似たような考え方を持ってるけど、何か自分の中にあるクオリアを伝えるためには一言二言では無理で、物語というビーグルに乗せて重層的に表現をしないと読んだ人に伝わらないものだと思っている。その伝えるクオリア自体が陳腐だと伝わる情報も陳腐なので、作者はその伝えたい事を徹底的に磨きぬかないといけない。


この本では、小説家が実際に作品を書くときにどんな作業の仕方をしているのかとか、それが参考になると思った。今日、こういう増田を読んだけど、僕も似たような悩みを持っている。


anond.hatelabo.jp


遅筆過ぎて作品一つを完成させるのが数年かかるんだけど、増田も作品を書き上げられなかったらしく、完成させられなかった作品を読んで悶絶したらしい。


この本では小説家の執筆のやり方の手順とか書かれているんだけど、第一稿はとりあえずパパっと思い付きを書いてしまう。第一稿で作品を完成させる事はできない。それから友達に読ませたり、推敲を重ねて完成度を高めていく。とりあえず、小説を書くならばまずは完成させないとお話にならないのである。どの程度まで完成度を求めるかというと、自分がもうこれ以上弄るのは無理と感じるか締め切りが来るまでである。


とりあえず、僕も今、小説を書いているんだけど、まずは第一稿を完成させなければならないなと感じた。僕の弱点として完璧主義者なので、細かな表現で引っかかって書き進める事ができないのである。まずは文章表現などは二の次で完成させることを目指さないといけないだろう。完成度を高めていくのはその後、推敲を重ねてでいいのである。文章書きが経験値を得るのは作品を完成させてからであるし、まずは作品を最初から最後まで書いてみることでしょうな。

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